質問本文情報
令和七年六月十三日提出質問第二七三号
在日米軍基地におけるPCBに関する質問主意書
提出者 田村貴昭
在日米軍基地におけるPCBに関する質問主意書
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、変圧器やコンデンサー、安定器など電気機器に使用されてきたが、環境中で分解されにくく、生物への蓄積が認められてきたことから、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約によって、廃絶と適正処理が求められている。国内でも、いわゆるPCB特措法により、二〇二七年までに全てのPCB含有電気機器の廃止、処理を終了させ、国内から完全に廃絶することとなっている。
有害物質であるPCBの処理は、汚染者負担の原則に基づかなければならないが、防衛省は米軍のPCB含有機器、廃棄物を日本側で引き取り、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)等において、処理されてきた。
したがって、次の事項について政府に対し質問する。
一 防衛省は昨年の私の問合せに、在日米軍施設・区域のPCB廃棄物量は二〇二二年度から二〇二三年度まで約四百六十三トン、処理費用は約四億四千八百三十万円と回答した。その後、直近までのPCB廃棄物量と処理費用についてそれぞれ可能な限り明らかにされたい。
二 全国五か所のJESCO処理施設の稼働状況について及びこれまでのコンデンサー等の処理台数、安定器等の処理トン数の総量について、政府の把握するところをそれぞれ可能な限り明らかにされたい。
三 環境省は、二〇二三年十二月二十一日に、北海道及び室蘭市に対して、二〇二三年度で処理事業を終了する西日本、北九州、大阪、豊田事業エリアにおいて今後新たに高濃度PCB廃棄物が発見された場合、二〇二五年度末までの間、JESCO北海道事業所にて受け入れることを要請したと承知している。
その中には、在日米軍基地に残存するPCBは含まれないことを、二〇二四年二月二十八日の衆議院予算委員会分科会で、当時の伊藤環境大臣が答弁している。また環境省も、西日本エリアの高濃度PCB廃棄物の処理、受入れを北海道に要請しているが、米軍のものは想定していない、そうした要請もしていないと答弁している。この答弁は今も変わりはないか。
四 米軍基地・施設内に残存するPCB含有機器及び廃棄物について
1 数量はどのくらいあるのか。
2 調査、聴取等は行っているのか。
3 残存確認はどの府省庁が行うのか。
4 返還地を含む在日米軍施設・区域における工事に際し、PCBの有無について、政府の把握するところを可能な限り明らかにされたい。
五 日本のPCB処理施設で、米軍のPCB廃棄物については処理しない方針のもと、米軍基地・施設におけるPCB廃棄物は、どのようにして処理するのか。いわゆるPCB特措法により、二〇二七年までに国内から完全に廃絶することとなっているが、米軍PCBは米国等国外へ搬出して処理するのか。処理の方法について、政府の把握するところを可能な限り明らかにされたい。
六 防衛省が米軍のPCBを引き取り、防衛省の施設において保管しているとの情報があるが、それは事実か。そうであるならば、日本側が引き取っている根拠を示した上で、そのPCBの処理はどのように行うのか、JESCO北海道に処理を要請するのか、それぞれ明らかにされたい。
七 米軍のPCBは速やかに米国に持ち帰って処理すべきと考えるが、政府の見解はいかがか。
右質問する。