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令和七年十二月十一日提出
質問第一五〇号

地域医療の危機的状況と現場からの改善提案に関する質問主意書

提出者  青山大人




地域医療の危機的状況と現場からの改善提案に関する質問主意書


 近年、医療現場は深刻な人手不足、診療報酬の抑制、物価高騰等の複合的要因により、地域医療の継続が危ぶまれる状況にある。現場の医療従事者・医療経営者からは、制度の硬直性と政策の遅れに対する不満が強く、医療提供体制の持続可能性は急速に損なわれつつある。
 しかしながら、医療機関の切実な訴えにもかかわらず、政府からは財政難を理由に具体的な解決が示されていない。本来、医療提供体制の維持は国の責務であり、制度が現場の実態と乖離したまま放置することは許されない。
 そこで、以下質問する。

一 いわゆる三六協定の適用の在り方について
 三六協定の趣旨は、時間外労働に制約を課して労働者を保護する点にある。
 一方で、医療・介護分野では慢性的な人員不足の中で、三六協定による労働時間制限が業務負担の増大と医療の質の低下を招いているとの指摘がある。
 本人が希望しても本業務の延長が認められないにもかかわらず、副業を認める現在の制度では、時間外労働に制約を課して労働者を保護するという本来の三六協定の趣旨から潜脱しかねない上、本業現場の慢性的な人員不足の解決からは遠ざかる。そのため、現場から疑問が呈されている。
 そこで、労働者保護を重視しつつ、医療従事者本人の自発的希望が明示的で、その意思決定に事業主の不当な介入がないと認められる場合は、三六協定による労働時間制限の弾力的運用の余地を例外的に検討すべきではないか、政府の検討状況及び見解を伺う。
二 入院時食事療養費の単価設定の在り方について
 物価や光熱費が高騰する中、現在の食事提供単価では治療食等を含む質の確保は、現実には困難であるとの意見が現場から多数寄せられている。「入院時食事療養費制度」発足以来の食事療養費等は、現在まで幾度かの見直しを経たものの、金額の上昇は微々たるものであり現実的な価格設定とはいえない、ということが現場から指摘されている。
 1 国は、必要コストを踏まえた「模範食」を提示した上で現実的な単価を設定するとともに、その根拠を明示すべきではないか。
 2 国は「値段のみを定めて調理方法は現場任せ」としている現状を改め、食事療養費の単価設定の在り方について指針の明確化を行う考えはあるか。
三 保険外併用療養費制度の柔軟化について
 リハビリテーションの単位数、看護・介護の追加提供、医療材料のグレード等について、患者が希望する場合には自由診療枠を柔軟に認めるべきとの現場の意見が強いという。
 1 必要最低限は保険診療で保障しつつ、希望者には自由診療による追加サービスを認める保険外併用療養費制度の柔軟化を検討すべきではないか。
 2 緊急手術やより良い高度材料の使用等を患者が希望する場合、その患者の追加負担により医療の選択肢を広げる制度設計について、政府の見解を伺う。
四 美容医療等の自由診療と保険診療の関係について
 美容医療等の自由診療で行われた医療行為に起因する問題を公的保険制度である保険診療で救済している現状について、制度の公平性を欠くとの批判がある。自由診療で生じた問題については自由診療内での解決を原則とする制度化を検討すべき時期ではないか。政府の検討状況、問題意識や見解を伺う。

 右質問する。

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