答弁本文情報
令和七年十二月二十三日受領答弁第一五〇号
内閣衆質二一九第一五〇号
令和七年十二月二十三日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員青山大人君提出地域医療の危機的状況と現場からの改善提案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員青山大人君提出地域医療の危機的状況と現場からの改善提案に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「三六協定による労働時間制限の弾力的運用の余地」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねが、御指摘のような「場合」は、「三六協定」で定めるところによらず「時間外労働」を認めるべきとの御質問であるとすれば、一般に労働者と使用者の間には交渉力の違いがあることを踏まえると、お尋ねのような「医療従事者本人の自発的希望が明示的で、その意思決定に事業主の不当な介入がないと認められる場合」を担保することは困難であると考えており、また、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)はそのような違いがあることを踏まえ、弱い立場にある労働者が劣悪な環境で働くことのないよう保護する観点から、契約自由の原則を修正し、「時間外労働」をさせる場合に「三六協定」を必要とすることを含め、労働条件について最低基準を定めているものであることを踏まえると、適切ではないと考えている。
二について
入院時の食事に関しては、「入院時食事療養費に係る食事療養及び入院時生活療養費に係る生活療養の実施上の留意事項について」(令和六年三月五日付け保医発〇三〇五第十四号厚生労働省保険局医療課長通知)において、「食事は医療の一環として提供されるべきものであり、それぞれ患者の病状に応じて必要とする栄養量が与えられ、食事の質の向上と患者サービスの改善をめざして行われるべきものである」、「入院患者の栄養補給量は、本来、性、年齢、体位、身体活動レベル、病状等によって個々に適正量が算定されるべき性質のもの」等としているとおりであり、一概にお尋ねのように「必要コストを踏まえた「模範食」を提示した上で現実的な単価を設定するとともに、その根拠を明示」すること及びそのような「単価設定の在り方について」の「指針」をお示しすることは困難であると考えているが、いずれにせよ、入院時食事療養費の「単価」については、食材に係る費用等の状況を踏まえ、中央社会保険医療協議会において検討してまいりたい。
三について
御指摘の「希望者には自由診療による追加サービスを認める保険外併用療養費制度」及び「患者が希望する場合、その患者の追加負担により医療の選択肢を広げる制度設計」は、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十三条第二項第五号に規定する選定療養の制度と理解した上で、当該制度のお尋ねの「柔軟化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、当該制度については、診療報酬改定の際に、厚生労働省ホームページにおいて、「「選定療養として導入すべき事例等」に関する提案・意見の募集について」として意見を募集し、それを踏まえ、中央社会保険医療協議会において検討し、必要に応じ、見直しを行っているところであり、また、お尋ねの「緊急手術やより良い高度材料の使用」については、一般的に、医師において、個々の患者の症状等に応じて実施又は選択の判断がなされるものであり、患者の希望に応じて実施等されるべきものではなく、当該制度の対象とすることについては、慎重な検討が必要なものと考えている。
四について
御指摘の「美容医療等の自由診療で行われた医療行為に起因する」疾病又は負傷に対する治療については、令和七年十一月二十一日の衆議院厚生労働委員会において、政府参考人が「一般論で申し上げれば、・・・美容医療があって、それに伴う合併症、それが原因となっているような合併症があった場合、その治療が一体のものというふうに評価されるのであれば保険外診療に起因する有害事象等に対する診療行為になりますので、私どもとしては保険給付は認められないのではないかというふうに考えているところでございます」及び「個々の診療行為が保険給付の対象となるかについては、あくまで個別に判断する必要があると思っています」と答弁しているとおりであり、御指摘のように「自由診療で生じた問題については自由診療内での解決を原則とする制度化を検討すべき」とは考えていない。

