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令和七年十二月十一日提出
質問第一五二号

デジタル行政に関する質問主意書

提出者  中谷一馬




デジタル行政に関する質問主意書


 当方が平成三十一年四月二十四日に内閣委員会において質疑したデジタル行政に関する政策について、以下、質問する。

一 「オープンガバメントを目指したデジタル行政の推進について伺います。世界では、ウエブを活用して市民からの意見を直接収集し、それらを政策の意思決定に生かしていこうという取組を進める国々があります。アメリカでは、ホワイトハウスが、市民から政府への請願をより簡易的に広く利用してもらう目的で、WE the PEOPLEというサイトが立ち上がりました。十三歳以上で有効なメールアドレスを保有している者であれば誰でもアカウントを取得できて、提出した請願が三十日以内に十万筆の署名を集められた場合、政府は必ずその回答を返信することとなっており、検討した結果がWE the PEOPLE上に公開されるという仕組みになっております。また、私もPnikaというオープン・イノベーション・プラットフォームをつくる団体の方々から教えていただいたのですが、台湾では、政府がJoinというプラットフォームを採用し、政府への提案や質問に対して、五千票以上集めると、管轄省庁がアクションし、回答する義務が発生するというサイトを運営しております。資料を配付しておりますのでぜひごらんをいただければと思いますが、このサイトでは、政策のモニタリング機能も搭載されており、設定されたKPIの進捗を公開し、達成度合いを確認できるというものです。私は、こうしたウエブを活用したオープンプラットフォームを構築し、政策実行の透明性を確保するとともに、国民の意見に真摯に向き合い対話をしていくという姿勢は特に現政権には求められているように感じますので、WE the PEOPLE、Joinのような、国民からの請願、質問を受け付けて政府がそれに返答し、その後の達成度合いなど、政策のKPI進捗をモニタリングできるなどのウエブサービスをデジタル行政の一環として推進し、国民とのコミュニケーションを積極的に図っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。平井大臣の所見を伺います。」という質疑をしたところ、平井国務大臣(当時)からは「WE the PEOPLEやJoinも非常によくできていると思うし、オープンプラットフォームを構築するような方向が決まれば、よりよいものをつくる必要があると感じる」という旨の答弁があった。また、「台湾のvTaiwanのように、国民が立法プロセスに参加できる、使いやすく、分かりやすい、オープンなプラットフォームを構築すべきではないか」という旨の質疑をしたところ、平井国務大臣からは「日本は日本でどのようなやり方がいいのか、ぜひ皆さんで検討していただければと思う。次の世代がそのような政策判断ができる環境等をつくるという意味においても、今回のデジタル手続法案を早く成立させ、新たな考え方を導入できるような環境を整備すべきだと思う。」という旨の答弁があった。これらの平井国務大臣の答弁を受けて、その後、政府においてオープンプラットフォームに関してどのような検討が行われ、現在どのような取り組みを実行しているのか伺いたい。
二 「私からはデジタルデバイド対策について伺わせていただきたいと思います。デロイトトーマツコンサルティングが、二〇三〇年までにG20の中で最大五・四億人のデジタル貧困、バーチャルスラムが生まれるという試算をなされました。今後、デジタルをうまく活用できる人とできない人では大きな格差が生まれることが容易に想像できることから、教育などと同様に機会の平等を担保する、こうした視点が非常に重要だと思っています。そうした中、デジタル手続法案の第一条「目的」に、「国、地方公共団体、民間事業者、国民その他の者があらゆる活動において情報通信技術の便益を享受できる社会が実現されるよう、情報通信技術を活用した行政の推進について、その基本原則及び情報システムの整備、情報通信技術の利用のための能力又は利用の機会における格差の是正その他の情報通信技術を利用する方法により手続等を行うために必要となる事項を定める」と書かれております。書かれているんですけれども、デジタルデバイドの話で、この法の具体的な進め方の概要などを見ておりますと、能力格差の是正、これについては触れられているものの、利用機会の格差是正、特に経済的な取組についての具体例が示されておりません。これは最近発表された人間中心のAI社会の原則においても同様の傾向でございまして、政府から提案されるデバイド対策には経済的な視点がすっぽりと抜け落ちているように感じます。そうした中、例えば、韓国の放送通信委員会では、生活保護受給者世帯などの低所得者層や障害を持った方々に対して、通信の月額の基本料、通話料、データ通信料などの負担軽減、こうしたものを行ったり、ソウル市内の自治体ではPCの無償レンタルなど、こういった取組が行われているわけであります。デジタルは、触れられる人とそうではない人では大きな格差が生じますので、経済的な格差を埋める観点から、デジタルツールやサービスを誰もが利用できる環境整備に向けた具体策が私は必要であると考えますが、いかがでしょうか。大臣の御所見を伺います。」という質疑をしたところ、平井国務大臣(当時)からは「デジタル手続法案第十二条において、国の行政機関などに対してデジタルデバイドの是正を図るための施策を講ずる義務を課している。今後、政府において幅広くデジタルデバイド対策を講じていくが、これには、経済的な要因に基づく格差への対策も当然含まれる」という旨の答弁があった。この平井国務大臣の答弁を受けて、その後、経済的な要因に基づく格差に対してどのような対策の検討が行われ、現在どのような取り組みを実行しているのか伺いたい。
三 「エストニアでローンチされたe−レジデンシーの制度に対する見解、これについて伺いたいと思います。e−レジデンシーは、約百ユーロを払えば、顔写真、指紋認証を行った後に審査を受けて、エストニアの電子居住者になれるという制度です。電子居住者になれば、エストニアで提供している電子プラットフォームの一部が開放され、オンラインで銀行口座の開設申請ができて、不動産、雇用契約を行うための電子署名機能が付与されて、安価かつ短時間で法人を設立できるといったメリットがあります。二〇一九年時点で世界の登録者が五万人を超え、日本からも約二千五百人のe−レジデント、電子国民が誕生をしています。日本としても、ビジネスをしやすい環境を提供する国を目指し、世界中からベンチャー、スタートアップ企業を誘致することで産業を活性化させ、税収をふやしていきたいという考えがあるのであれば、e−レジデンシーの取組はとても参考になる事例であると考えます。そこで伺いますが、日本でも、安価かつ短時間での法人設立、銀行口座の開設申請、契約時に必要となる電子署名機能をオンライン上で世界じゅうの人々が世界じゅうから誰もが行うことのできる基盤整備を行うことが国家戦略上も有用であると考えますが、いかがでしょうか。大臣の御所見を伺います。」という質疑をしたところ、平井国務大臣(当時)からは「e−レジデンシー制度は便利であり学ぶ点が多い。日本の法人登記に要する時間は短くなっているが、もう少し短くできるのではないかと思っている。彼ら(エストニア)の持っている機能で一番大きいのはモバイルID機能である。あの機能があると数段いろいろなものが便利になるとかんじているため、さらなる政策も考えてみたいと思っている」という旨の答弁があった。この平井国務大臣の答弁を受けて、その後、エストニアのe−レジデンシー制度やモバイルID機能を踏まえて、どのような政策の検討が行われ、現在どのような取り組みを実行しているのか伺いたい。

 右質問する。

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