質問本文情報
令和七年十二月十二日提出質問第一七〇号
科学技術関係予算に関する質問主意書
提出者 杉村慎治
科学技術関係予算に関する質問主意書
科学技術は、我が国の経済成長、安全保障の確保、そして国民生活の質的向上に必要不可欠である。今日、サイバー技術、バイオテクノロジー、宇宙、量子技術、AI等の分野で、各国が国家戦略として大胆な予算運用を進めており、我が国が国際競争力を維持・向上させるためには、科学技術投資の強化が急務であると考える。しかしながら、我が国の科学技術関係予算は長期にわたり伸び悩み、優秀な研究者の海外研究機関への移籍、基礎研究の停滞、大学や研究機関における施設の老朽化など深刻な課題が生じている。
そこで以下、政府に質問する。
一 我が国のGDPに対する科学技術関係費の比率について、政府によれば、二〇二三年度三・七%と公表されている。米、ロシア、中国、インド、ブラジル、韓国、イスラエル、英国、イタリア、フランス、ドイツ、スウェーデン、フィンランドとの比較でどの水準にあり、政府はどう評価しているのか。
二 政府が掲げる「科学技術立国」実現に向けて、現行の科学技術関係予算は十分であると考えているのか。
三 基礎研究への投資は、国の競争力の源泉となるにもかかわらず、大学等の基盤的経費は実質的に減少し続けている。政府は、この現状を踏まえ、今後、大学などの基盤的経費をどのように改善してゆく方針か。政府の見解を示されたい。
四 我が国の研究技術開発の向上には、我が国の研究者の環境整備が必要不可欠となる。政府は、海外の研究者の呼び込みのための環境整備に関する施策に焦点を置いた施策を推進しているが、我が国で研究を行う或いは続けようとする者の処遇を諸外国に引けを取らない程度に拡充する政策を打ち出すことが、我が国の真の科学技術力の向上に資すると考える。この点について、政府の見解を示されたい。
五 また「人生一〇〇年時代」において、長年現場で経験を積んだ中高年者に、その経験を活かし、「第二の人生」として研究への道を開く方途を講じることは、基盤研究の質的向上や従来の学説や理論を踏まえた新分野への挑戦などを可能にし、我が国の科学技術力そのものの底上げを実現し得ると考える。この点、政府の考えを示されたい。
六 国立研究開発法人や大学の老朽化施設の建替え・更新について、長年先送りが続く中、政府として、中長期的な計画を策定し、安定的財源を確保する方針はあるのか。
七 以上を踏まえ、政府として、科学技術関係予算を今後一〇年及び三〇年でどの程度増加していくべきと考えるか。政府の見解を示されたい。
右質問する。

