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令和七年十二月十二日提出
質問第一七七号

柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護に関わる不適切な文書管理案件に関する質問主意書

提出者  宮川 伸




柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護に関わる不適切な文書管理案件に関する質問主意書


 十一月二十一日に花角英世新潟県知事は柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を容認すると表明した。一方で、その前日二十日に原子力規制委員会が、柏崎刈羽原子力発電所に関して、「核物質防護秘密を含む文書が必要な手続きを取られずに複製及び委託事業者に管理されていた」事案他一事案(以下「検査指摘事項」)及び「東京電力本社及び柏崎刈羽原子力発電所において核物質防護秘密を取り扱う立場の東京電力社員が文書等を必要な手続きを取らずに保管場所から持ち出した上で複製し、個人の机に保管した」事案(以下「検査継続案件」)の計三件の不適切事案を発表した。

一 本件発表後の十一月二十六日の山中原子力規制委員会委員長は定例記者会見において、二〇二一年の東京電力職員によるIDカードの不正利用、侵入検知装置の故障、放置などの後の核燃料の移転停止による事実上の運転停止命令、その後二〇二三年の同措置の解除を行った状態から、「何か著しくセキュリティーが組織的に劣化している状況であるとも考えておりませんし、安全上の課題があるというふうにも考えておりません」と述べている。この発言は、「検査指摘事項」のみを踏まえた判断か、「検査継続案件」をも踏まえた判断か。
二 「検査指摘事項」のみを踏まえた判断であれば、「検査継続案件」までも含めているともとれる表現をしたことにより、十一月二十七日付新潟日報などにおいて「組織的なセキュリティー劣化や安全上の課題はないとの見解を示した」等と報道され、両件含めた判断のような報道につながっており、新潟県知事や新潟県議会の判断などにも影響を与えかねない。「検査継続案件」については、これからの検査の結果次第であり、現時点で判断はできないことを明確に切り分けて表現すべきだったと考えるが、見解はどうか。他方、「検査継続案件」も踏まえた発言だったとすれば、まだ事実関係すら明らかではなく、検査継続中の案件について、こうした判断をした理由は何か。
三 同会見で「検査継続案件」についての記者の質問に対し、山中委員長は「これもあくまでも現時点でですけれども、これから調査しないと、検査の結果を見てみないと分かりませんけれども、現時点ではあくまでも個人がセキュリティー文書を個人的に持ち出したという、文書管理の問題であるという、そういう理解でございます。これはもう結果次第で、広がるかどうか、あるいは重たくなるかどうかというのは、今後の結果を見てみたいというふうに考えているところです」と回答している。「現時点ではあくまでも個人がセキュリティー文書を個人的に持ち出したという、文書管理の問題であるという、そういう理解でございます」と答えているが、検査継続案件であるのに、何を根拠にそのような見解を示したのか。現時点で委員長が把握している事実関係にもとづき根拠を示されたい。
四 同会見で山中委員長は、「検査継続案件」について、「現状としては一個人の問題であるというふうに報告を受けている」ことと「東京電力が報告をしてきた」ことの二点をもって「組織的なセキュリティー劣化はないという、現状では推測でございます」と述べている。東京電力において、二〇二一年の一連の不祥事により事実上の運転停止命令という重い処分を受けた以降も、本「検査継続案件」のような類似の事案が長期間見つからずにいたことは決して軽視できず、最終結果が出る前に、「組織的なセキュリティー劣化はない」と推測すべきではないと考えるが、規制委員長の見解を示されたい。
五 原子力規制委員会の「検査継続案件」の最終結果を待たずに、東京電力が柏崎刈羽原子力発電所を再稼働することは、国民特に地域住民の理解を得るためにも適切ではないと考えるが、内閣の見解を問う。
六 「検査継続案件」の最終結果を待たずに再稼働が強行された場合、その後の最終結果の内容によっては、稼働停止を含む規制措置が取られる場合が法的にはあり得るという理解でよいか。
 
 右質問する。

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