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令和七年十二月十二日提出質問第一九八号
出産費用の自己負担無償化に関する質問主意書
提出者 酒井なつみ
出産費用の自己負担無償化に関する質問主意書
厚生労働省は「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」による十回の議論をもとに、令和七年五月に「議論の整理」を公表し、「あるべき支援等の方向性」として「令和八年度を目途に、産科医療機関等の経営実態等にも十分配慮しながら、標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた具体的な制度設計を進めるべき」と記した。その後、社会保障審議会医療保険部会(以下「医療保険部会」)において議論が続けられているが、令和七年十二月四日の「医療保険部会」では、現行の出産育児一時金に代えて現物給付化し、全国一律の基本単価を設定して支給する案等が示されている。しかしながら、分娩に伴う保険診療は従来通りの内容でもあり、完全な無償化とは言えない方向性に疑念が残る。
「医療保険部会」に提出された資料によれば、令和六年度の妊産婦の経済的負担の状況(正常分娩)は、妊婦合計負担額が出産育児一時金の支給額を超過しているケースが八十三パーセントとなっており、令和五年十二月に策定された「こども未来戦略」で謳われた「こどもを生み、育てることを経済的理由であきらめない社会の実現」には、更なる経済的支援の強化が必要と考える。
よって、以下、政府に対し質問する。
一 政府は、「医療保険部会」における「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」の議論をいつまでに取りまとめる予定なのか、示されたい。
二 一で、「分娩に伴う保険診療」は従来通り残す考えなのか、見解を示されたい。
三 一で、分娩対応を無償化(保険適用)とすることで、かえって窓口負担が増加することのないようにするべきだが、見解を示されたい。
四 妊婦健診、産前教育、産後ケアも無償化(保険適用)するべきだが、見解を示されたい。
五 妊娠八十五日以上の死産、流産、早産等も無償化(保険適用)に含むべきだが、見解を示されたい。
六 助産所や助産師の利用も無償化(保険適用)とするべきだが、その際、助産所等の事務等に過度な負担が掛からないようにしなければならない。見解を示されたい。
七 産科医療補償制度は、国の責任において運営し、掛金の自己負担は無償化するべきと考える。見解を示されたい。
右質問する。

