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令和八年十月十四日提出
質問第一一号

RDワーカーといわれる難病患者等の就労促進に関する質問主意書

提出者  長妻 昭




RDワーカーといわれる難病患者等の就労促進に関する質問主意書


 難病は、完治が困難である場合が多く、症状が固定せず、寛解と悪化を繰り返すものも少なくない。このため、身体障害者手帳の認定基準との関係等から、障害者手帳を取得できない難病患者も多く、障害者雇用率制度の対象とならないことなどが、就労上の課題となってきた。
 一方、医療の進歩による症状の改善・緩和に加え、短時間勤務、時差出勤、在宅勤務等の柔軟な働き方が広がったことにより、一定の配慮があれば就労することが可能な難病患者も少なくないと考えられる。
 また、難病患者の中には、発症前から専門的な知識、技能、職業経験等を有している者もいる。生産年齢人口の減少等による人手不足が深刻化する中、働く意欲と能力のある難病患者が、その能力を十分に発揮できる環境を整備することは、本人の自立や社会参加のみならず、我が国の労働力の確保という観点からも重要である。
 さらに、難病患者のために短時間勤務や在宅勤務等の柔軟な働き方を整備することは、他の障害者のみならず、育児、介護等の事情により就労に困難を抱える者にとっても働きやすい職場環境の整備につながるものと考える。
 以上を踏まえ、以下質問する。

一 難病患者の就労実態の把握について
 1 政府は、指定難病患者のうち、就労している者、就労を希望しているものの就労できていない者及び就労に際して何らかの配慮を必要としている者について、それぞれ人数及び割合を把握しているか。把握している場合には、その最新の数値及び調査方法を明らかにされたい。把握していない場合には、その理由を明らかにされたい。
 2 指定難病の臨床調査個人票は、医療費助成の申請及び難病に関する調査研究等に活用されているものと承知している。一方、就労に関する記載項目については疾病によって異なり、就労に関する項目が設けられていないものもあると承知しているが、事実か。
 3 指定難病患者の就労実態を継続的かつ全国的に把握するため、全ての指定難病の臨床調査個人票について、職種、勤務時間、勤務形態、職場において受けている配慮の内容、就労上の困難の程度等、就労に関する共通項目を設けることを検討すべきではないか。政府の見解を明らかにされたい。
 4 令和八年四月から開始された「難病患者の就労困難性の判定体系に関する研究」において、指定難病患者の就労実態を把握することは重要と考える。臨床調査個人票を含む既存の情報を同研究に活用することについて、政府の見解を明らかにされたい。
二 指定難病に該当しない希少疾患・難治性慢性疾患患者の就労実態について
 1 障害者手帳を取得しておらず、かつ指定難病にも該当しない希少疾患又は難治性慢性疾患の患者について、政府は、その人数及び就労状況を把握しているか。把握している場合には、その人数、就業率、就労上の困難等について明らかにされたい。把握していない場合には、その理由を明らかにされたい。
 2 例えば、線維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、脳脊髄液減少症等の患者の中には、症状によって就労上の困難を抱えながら、障害者手帳や指定難病制度の対象とならず、十分な就労支援を受けられない者がいると考えられる。政府は、このような、いわゆる「制度の狭間」にある患者の就労上の困難について、どのように認識しているか。
 3 「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」第十二回(令和七年十二月二十四日)の資料「実雇用率算定の対象となり得る難病患者数の推計の例」において、「診断疾病種別」の区分に「その他の難病患者等」が存在する。これらの者の中にも就労困難性の高い者が含まれている可能性があると考えるが、政府の認識を明らかにされたい。
 4 指定難病に該当しない希少疾患・難治性慢性疾患患者について、患者本人、患者団体、企業、地方公共団体、医療機関等を対象とした全国的な調査を実施し、患者数、就労状況、離職理由、必要な合理的配慮、就労支援制度の利用状況等を把握すべきではないか。政府の見解を明らかにされたい。
三 難病患者の就労に対する社会的理解の促進について
 1 難病については、病状が重く就労することが困難であるとの社会的なイメージがある一方、疾病の種類や症状には大きな違いがあり、適切な治療や職場における配慮、短時間勤務、在宅勤務等によって就労が可能な患者も少なくないと考える。政府は、難病患者の就労可能性について、社会及び事業主の理解が十分に進んでいると認識しているか。
 2 現在、労働政策審議会障害者雇用分科会等において、障害者手帳を所持しない難病患者等の障害者雇用率制度上の取扱いについて議論が行われているものと承知している。制度を整備するだけでなく、難病患者を雇用する企業等に対して、疾病の特性、必要な配慮、実際の就労事例等を周知し、難病患者の雇用に対する理解を促進する取組を併せて強化する必要があると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
 3 働くことが可能であり、かつ働くことを希望する難病患者について、「RDワーカー」との呼称を用いて、その存在や就労可能性を社会に発信する取組があると承知している。「ヤングケアラー」等の呼称が社会的な課題の認知向上に一定の役割を果たしたことも踏まえ、難病患者の就労に関する社会的認知を高めるため、分かりやすい呼称や概念を活用した広報・啓発を行うことについて、政府の見解を明らかにされたい。
四 国及び地方公共団体における難病患者の試行的な雇用等について
 1 政府は、障害者手帳を所持しない難病患者等について、障害者雇用率制度の対象とすることを含め、制度の見直しを検討していると承知している。現在検討している制度の内容、対象者の範囲、就労困難性を判断する基準及び制度化を目指す時期について、それぞれ明らかにされたい。
 2 仮に障害者手帳を所持しない難病患者等を障害者雇用率制度の対象とする制度改正が行われたとしても、実際に難病患者を受け入れる職場において、必要な配慮や勤務形態等についての知見が直ちに蓄積されるものではないと考える。
  そこで、制度化に先立ち、国の機関において、難病患者を対象とした非常勤職員等としての採用、短時間勤務、在宅勤務、インターンシップ等を試行的に実施し、難病患者を雇用する際に必要となる合理的配慮、勤務時間、業務内容、健康管理等に関する知見を蓄積することが有効と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
 3 山梨県、千葉県、東京都、北海道等の地方公共団体において、障害者手帳の有無にかかわらず難病患者を対象とした職員採用等の取組が行われていると承知している。政府は、これら地方公共団体の取組について、実施状況、応募者数、採用者数、勤務形態、職場における配慮、採用後の定着状況等を把握しているか。把握している場合には、その内容を明らかにされたい。
 4 前記地方公共団体の取組について、その効果及び課題を国において調査・検証し、その結果を国の機関及び他の地方公共団体に共有するとともに、障害者手帳を所持しない難病患者等に係る今後の雇用制度の設計に反映させるべきではないか。政府の見解を明らかにされたい。
 
 右質問する。

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