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答弁本文情報

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平成十五年九月二十六日受領
答弁第一四五号

  内閣衆質一五六第一四五号
  平成十五年九月二十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員川田悦子君提出防衛庁等による発注等に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川田悦子君提出防衛庁等による発注等に関する第三回質問に対する答弁書



一の(一)について

 航空自衛隊のT―4のエンジンの燃料制御装置(以下「燃料制御装置」という。)に係るお尋ねの洗浄作業は、燃料制御装置の開口部のふたを内側に磁石が装着されたふたに交換した上で、約二十分間地上でエンジン運転を実施することにより、内部の金属の異物を右磁石に吸着させ、除去するものである。これは、衆議院議員川田悦子君提出防衛庁等による発注等に関する再質問に対する答弁書(平成十五年七月十八日内閣衆質一五六第一〇八号。以下「第二回答弁書」という。)一の(1)及び(2)についてで述べたとおり、個々のエンジンの燃料流量の調節に不具合が生じたか否かにかかわらず、航空機の飛行安全の確保に万全を期すための整備の一環として行ったものであって、当該作業に要した費用を石川島播磨重工業株式会社(以下「IHI」という。)に請求することは考えていない。

一の(二)について

 お尋ねの「IHIにおける突然の異常作業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、IHIに確認したところ、御指摘の「事故」前に、燃料制御装置の製造又は修理における組立方法及び点検方法に変更は行われていないと聞いている。
 いずれにせよ、第二回答弁書一の(4)についてで述べたとおり、燃料制御装置の不具合については、その原因となったボルトを金属片のないものに交換することにより、根本的に原因を除去できることから、再発を防止することが可能であると考えている。

一の(三)について

 IHIに確認したところ、お尋ねの調整ボルトの製造会社はアメリカ合衆国所在の「SPS Technologies Inc.」、部品番号は「F118167P1」及び「F118167P2」であると聞いている。また、部隊における燃料制御装置の洗浄については、航空自衛隊補給本部長が発した技術指令書により、一の(一)についてで述べた作業の手順等を示している。
 なお、防衛庁においては、その所掌する事務について国会議員等から説明を求められた場合には、お答えできる範囲で適宜適切に説明を行ってきており、「回答を拒否した」との御指摘は当たらないと考えている。

二について

 第二回答弁書二及び三の(3)についてで述べたとおり、政府としては、民間企業であるIHIの社内文書と考えられる御指摘の文書の記載内容について述べる立場にはないが、防衛庁において当該工場における「専用治工具流用」及び「工数の水増し」の有無について確認に努めたところ、これらを疑わせる事実は把握できなかったことから、改めて調査することは考えていない。
 なお、防衛庁が行う調達において、契約に計上された専用治工具費並びに専用の機械及び装置費に係る物品については、契約を締結した時に、契約以外の目的で使用されることがないことを確認し、代金を確定した時又は契約履行期間中の監督を行った時に、契約以外の目的での使用の有無を確認している。
 また、契約金額の算定根拠となる工数に過大申告等があったために防衛庁が過大な支払を行った場合等については、「過払事案処理要領について」(平成十一年九月三十日付け防衛事務次官通達)に基づき特別調査等の必要な措置をとることとしている。

三の(一)のイについて

 防衛庁は、IHI呉第二工場における防衛庁の発注に係る専用治工具の使用状況等について、職員を現地へ派遣し、当時の関係者に事実確認を行う等の調査を実施している。また、今後、専用治工具の専用性及びその費用の審査について遺漏のないよう防衛庁の関係職員への周知徹底を図っている。さらに、IHIに対し、専用治工具の管理方法を改善するよう申し入れるとともに、防衛調達に係るものではないガスタービン機関の運転試験に使用された専用治工具について、その使用実績に応じた額を債務不履行として損害賠償請求し、IHIから千百二十一万七千五十四円が国庫に納入されたところである。

三の(一)のロについて

 お尋ねの専用治工具の維持費は、主機械LM2500型ガスタービン機関の製造原価の一部となっており、お尋ねのように、専用治工具の維持費として特定されてIHIから請求を受け、支払われるものではない。また、防衛庁は、代金を確定するための確定計算価格見積書の提出をIHIから受けた場合は、同見積書に記載された専用治工具の維持費について、当該専用治工具が防衛庁発注製品の製造に使用された実績に応じて製造原価として容認している。
 なお、お尋ねの専用治工具は、IHIの所有物であり国有財産ではない。

三の(一)のハについて

 お尋ねの運転保守管理台帳及びガスタービン運転記録の内容については、IHIの各種社内文書に記録されていると考えられるところ、政府としては、民間企業であるIHIの社内文書の内容について述べる立場にないことから答弁できない。
 なお、平成二年七月から平成十五年八月末までの間にIHI呉第二工場において運転試験を行った防衛庁の発注に係る主機械LM2500型ガスタービン機関等の契約年度及び台数は、別表のとおりである。

三の(二)のイについて

 御指摘を踏まえ、改めて防衛庁において当時の関係者に事実関係を確認したが、第二回答弁書三の(1)及び(2)についてで述べたとおり、事故当時、防衛庁調達実施本部広島調達管理事務所は、専用治工具を使用していたとの報告をIHIから受けていなかったものである。

三の(二)のロについて

 二についてで述べたとおり、防衛庁が行う調達において、契約に計上された専用治工具費並びに専用の機械及び装置費に係る物品については、契約を締結した時に、契約以外の目的で使用されることがないことを確認し、代金を確定した時又は契約履行期間中の監督を行った時に、契約以外の目的での使用の有無を確認しており、政府としては、今後とも適切に対応してまいりたい。

三の(二)のハについて

 お尋ねの専用治工具については、その一部が破損したものの、防衛庁の契約の履行に支障なく修理されたところである。また、右修理については、IHIの負担において、IHI及びその関連会社により平成十一年八月から九月までの間に実施されており、その費用は、翌年度における専用治工具維持費には含まれていない。


別表


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