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平成十六年九月十四日受領
答弁第五〇号

  内閣衆質一六〇第五〇号
  平成十六年九月十四日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 細田博之

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員佐藤謙一郎君提出徳山ダムおよび木曽川水系水資源開発基本計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員佐藤謙一郎君提出徳山ダムおよび木曽川水系水資源開発基本計画に関する質問に対する答弁書



一について

 「木曽川水系における水資源開発基本計画」(平成十六年六月十五日閣議決定。以下「現行基本計画」という。)における都市用水(水道用水と工業用水とを合わせたものをいう。以下同じ。)の需要の見通しについては、平成十二年度の需要実績に比べて増加するものとなっているが、過去の都市用水の需要実績や現行基本計画を策定する時点の経済社会情勢等を踏まえて適切に設定したものである。なお、平成三年度から平成十二年度までの過去十年間の木曽川水系における都市用水の需要実績を見ると、わずかに減少した年があるものの、全体としては微増傾向を示している。
 また、現行基本計画における都市用水の需要の見通しの設定の際に用いた家庭用水原単位、水道用水の負荷率及び利用量率、工業出荷額並びに工業用水補給水量原単位について、平成三年度から平成十二年度までの過去十年間の実績値及び目標年度である平成二十七年度における想定値を各県別にお示しすると、別表のとおりである。

二について

 水資源開発促進法(昭和三十六年法律第二百十七号)第四条第一項の水資源開発基本計画における水需要の見通しは、おおむね過去十年間における水需要の実績や同計画を策定する時点の経済社会情勢等を踏まえて設定している。「木曽川水系における水資源開発基本計画」(平成五年三月二十六日閣議決定。以下「前基本計画」という。)における水需要の見通しについても、このような考え方に基づき適切に設定したものと考えているが、前基本計画の策定後、景気の低迷、人口動態の変化等の理由により、現行基本計画における水需要の見通しとの間に差異が生じているものと考えている。
 また、旧水資源開発公団が、平成十年六月に、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の規定に基づき徳山ダムに係る事業認定申請を行った際の水需要の見通しについても、右と同様の考え方に基づき適切に行われたものと理解しているが、その後、右と同様の理由により、現行基本計画における水需要の見通しとの間に差異が生じているものと考えている。

三の1及び2について

 徳山ダム等が計画された当時と比較して、近年では、多雨年と少雨年における降水量の較差が次第に増加するとともに、少雨年の降水量がより減少してきているなどの要因により、河川流況が変化している。このような状況を踏まえ、現行基本計画における水の供給の目標は、計画当時の河川流況のみならず、近年の二十年に二番目の渇水年の河川流況を基にしても安定的な水の供給が可能となるよう設定しており、これを基にして都市用水の需給想定を地域別に検討したところ、すべての地域における都市用水の需給をおおむね安定させるためには、徳山ダムからの水の供給が不可欠であり、徳山ダムは必要であると認識している。
 なお、徳山ダムは、都市用水の供給のほかに、揖斐川における洪水調節及び流水の正常な機能の維持等の目的を有していることからも必要であると考えている。

三の3について

 現行基本計画によれば、岐阜県の都市用水の需給は、近年の二十年に二番目の渇水年の河川流況を基にした場合においても、徳山ダムからの水の供給によって、おおむね安定するものと見込まれる。なお、お尋ねの岐阜県と他県との間の水の融通については、水資源の有効活用を図る観点から、地域の実情に応じ、関係県において検討されることが重要であると考えている。

四の1について

 河川法の一部を改正する法律(平成九年法律第六十九号。以下「平成九年改正法」という。)附則第二条の規定により、平成九年改正法の施行の際現に平成九年改正法による改正前の河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十六条第一項の規定に基づいて定められている木曽川水系工事実施基本計画は、平成九年改正法による改正後の河川法第十六条第一項の規定に基づき木曽川水系について定められた河川整備基本方針及び平成九年改正法による改正後の河川法第十六条の二第一項の規定に基づき木曽川水系に係る河川の区間について定められた河川整備計画とみなすこととされている。
 なお、本年七月に、独立行政法人水資源機構が行った独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第百八十二号)第十三条の規定に基づく徳山ダム建設事業に関する事業実施計画の変更は、木曽川水系工事実施基本計画の変更を必要とするようなものではない。

四の2及び3について

 平成十四年七月の洪水については、木曽川水系工事実施基本計画の対象洪水とはされておらず、お尋ねの計算を行っていない。なお、平成十四年七月の洪水実績について、洪水調節容量等の見直し後の徳山ダム及び横山ダムによる洪水調節効果を試算すると、揖斐川の基準地点である万石において流量を毎秒約六百立方メートル減少させる効果があるものと推定される。

四の4について

 徳山ダムは、木曽川水系工事実施基本計画において揖斐川の洪水調節のために必要な施設であると位置付けられており、徳山ダムの建設は、揖斐川沿川住民の生命及び財産を守るための抜本的な治水対策として不可欠なものであると考えている。


別表


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