答弁本文情報
平成二十年三月二十五日受領答弁第一九〇号
内閣衆質一六九第一九〇号
平成二十年三月二十五日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員山井和則君提出医療供給体制に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出医療供給体制に関する再質問に対する答弁書
一及び三から五までについて
医師臨床研修においては、医師免許を有する研修医が医師としての実際の業務を通じて研鑽を行っているものであり、したがって、医師臨床研修の必修化によって実質上総医師数に対しておよそ五パーセントの削減効果がもたらされたとは考えておらず、また、「病院で診療に従事する医師の絶対数」や「病院で診療に従事する若手医師の絶対数」が減少しているとは認識していない。
厚生労働省における医師確保対策等の各種検討に当たっては、同省において二年に一度実施している「医師・歯科医師・薬剤師調査」における総医師数及び医療施設従事医師数を使用しているところである。
現在の医師不足問題の背景には、大学の医師派遣機能の低下、病院勤務医の過重労働、出産、育児等による女性医師の離職、医療に係る紛争の増加に対する懸念等の複合的な要因があるものと考えており、こうした問題に対応するため、平成十九年五月に政府・与党で取りまとめた緊急医師確保対策に基づき、医学部定員の増加のほか、病院勤務医の勤務環境の改善、女性医師の働きやすい勤務環境の整備等の総合的な医師確保対策を進めているところである。
医師臨床研修等の医療の質の向上を図るための施策を着実に実施していくことは、医師確保対策と同様に重要であると考えている。
一及び三から五までについてで述べたとおり、医師臨床研修においては、医師免許を有する研修医が医師としての実際の業務を通じて研鑽を行っているものであり、医師臨床研修の必修化によって病院で診療に従事する医師数が減少しているとは認識しておらず、御指摘の「研修期間を一年間に短縮する」ことが必要であるとは考えていない。
平成二十年度の診療報酬改定においては、病院の再診料及び十対一入院基本料の引上げといった病院の収入増につながる見直しや、医療事務補助者の配置等、病院勤務医の負担軽減を図るための取組を評価する診療報酬項目の創設を行っており、当該診療報酬改定が医療供給不足の深刻化につながるといった御指摘は当たらないものと考える。
平成二十年度の診療報酬改定の議論の過程においては、地方公聴会の開催や国民からの意見募集など、広く国民の意見を伺う取組を行ったところであり、今後とも、地域医療の実態を把握する取組を継続してまいりたい。
政府としては、先の答弁書(平成二十年二月十二日内閣衆質一六九第五二号)一の@、二及び三についてでお答えしたとおり、平成十八年七月の「医師の需給に関する検討会報告書」や現状に対する都道府県や有識者からの意見等を踏まえると、医師数は総数としても充足している状況にはないものと認識している。