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平成二十年十月三日受領
答弁第二三号

  内閣衆質一七〇第二三号
  平成二十年十月三日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出官製談合に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出官製談合に関する質問に対する答弁書



一について

 入札の落札率が高いとの外形的事実のみをもって直ちに私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「独占禁止法」という。)違反として問題とすることは困難であるが、公正取引委員会では、独占禁止法に違反する疑いのある具体的事実に接した場合には、必要な調査を行い、独占禁止法に違反する事実が認められた場合には厳正に対処するとともに、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(平成十四年法律第百一号。以下「入札談合等関与行為防止法」という。)第二条第五項に規定する入札談合等関与行為が認められた場合には、入札談合等関与行為防止法の規定に基づき、各省各庁の長等に対して改善措置要求を行ってきている。
 政府としては、今後とも、独占禁止法及び入札談合等関与行為防止法を適切に運用してまいる所存である。

二について

 落札率が百パーセントである場合であっても、そのことのみをもって直ちに独占禁止法違反として問題とすることは困難であるが、公正取引委員会では、独占禁止法に違反する疑いのある具体的事実に接した場合には、必要な調査を行い、独占禁止法に違反する事実が認められた場合には厳正に対処するとともに、本来公開していない予定価格等を漏えいするなどの入札談合等関与行為が認められた場合には、入札談合等関与行為防止法の規定に基づき、各省各庁の長等に対して改善措置要求を行ってきている。
 政府としては、今後とも、独占禁止法及び入札談合等関与行為防止法を適切に運用してまいる所存である。

三について

 平成十九年三月二十日に独立行政法人国立病院機構鳥取医療センター(以下「鳥取医療センター」という。)において消防用設備等の点検業務の入札を実施した際、国家公務員であった者が創業した株式会社保健医療ビジネスから参考として取得した見積価格と同額を予定価格としたところ、同社が落札した事例があるものと承知しているが、本件入札に当たっては、鳥取医療センターの近隣において消防用設備等の点検業務の実績を持つ複数の業者に対して参考として見積価格の提出を求めたものと承知している。
 厚生労働省としては、独立行政法人国立病院機構において契約事務を行うに当たっては、一層の公正性及び透明性の確保を図り、国民から疑念を抱かれることのないようにするべきものと考えており、平成二十年六月に独立行政法人国立病院機構に通知を行い、予定価格の設定に当たり安易に見積価格をそのまま用いないこと等、適正な契約事務の執行を更に徹底するよう依頼したところである。
 業者から提供された見積書の金額をそのまま予定価格として設定した契約が全省庁でどのくらいあるのかについては、各省庁においてそのための作業に多くの時間を要することとなることから、お答えすることは困難である。

四について

 国土交通省九州地方整備局筑後川河川事務所が平成十六年度に発注した「大正搦樋管機械設備工事」及び「旧陣屋川樋管外3箇所開閉機動力化工事」に関して、当該工事を受注した企業から社団法人九州建設弘済会に出向している技術者が、同会が同事務所から受託している当該工事に関する積算補助業務を行っていた事例があったものと承知しているが、国土交通省による調査の結果、当該技術者は当該工事の予定価格を知り得る立場にはなく、予定価格の漏えいなどの問題は確認されなかったものと承知している。
 なお、国土交通省において、平成十六年度に国土交通省が社団法人東北建設協会、社団法人関東建設弘済会、社団法人北陸建設弘済会、社団法人中部建設協会、社団法人近畿建設協会、社団法人中国建設弘済会、社団法人四国建設弘済会及び社団法人九州建設弘済会に委託した積算補助業務二百五件を対象に、積算補助業務に携わる技術者の出向元企業が当該業務に関連する工事を受注している事例について調査したところ、該当事例は、右の二例のみであった。
 右の事例を踏まえ、国土交通省では平成十八年四月に地方整備局に通知を行い、積算補助業務に携わる技術者の出向元企業が当該業務に関連する工事の入札に参加することのないよう徹底しているところである。
 政府としては、今後とも、公共工事の入札に参加しようとする者の間の公正な競争の促進に努めてまいりたい。

五について

 国や地方における官製談合問題の発生は、極めて遺憾である。官製談合を根絶させるためには、独占禁止法、入札談合等関与行為防止法等の関係法令を適切に適用することが重要と考えている。



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