答弁本文情報
平成二十三年八月二日受領答弁第三四六号
内閣衆質一七七第三四六号
平成二十三年八月二日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員浅野貴博君提出尖閣諸島沖で我が国の海上保安船に衝突し起訴猶予処分を受けていた中国漁船船長に対する検察審査会の議決に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員浅野貴博君提出尖閣諸島沖で我が国の海上保安船に衝突し起訴猶予処分を受けていた中国漁船船長に対する検察審査会の議決に関する再質問に対する答弁書
一について
検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)第三条において「検察審査会は、独立してその職権を行う。」と規定されているところ、お尋ねは、検察審査会の判断についての評価を問うものであり、政府として答弁することは差し控えたい。
お尋ねについては、在日中国大使館から外務省アジア大洋州局中国・モンゴル課に対し、御指摘の「議決一」に対する中国側としての関心の表明があったものであるが、外交上の個別のやり取りの詳細について明らかにすることは、先方との関係もあり、差し控えたい。
中国側からは、御指摘の「議決二」に対する中国側の立場の申入れがあったが、これに対し日本側から、日本側の立場を伝えた。
国家とは、国際法上、一般に、一定の領域においてその領域に在る住民を統治するための実効的政治権力を確立している主体とされている。
お尋ねの「国家の行為」の意味するところが必ずしも明らかでないが、検察審査会が行う検察官の公訴を提起しない処分の当否の審査は、検察審査会法により設けられた国の機関の行為である。
お尋ねの「政府内で日本国家の意向を対外的に代表し、伝える職責を負う機関」の意味するところが必ずしも明らかでないが、外務省は、日本国政府を代表して行う外国政府との交渉及び協力その他外国に関する政務の処理に関する事務等をつかさどるとされている。
外務省としては、仮に、御指摘の「議決二」に基づき関係当局が行う手続において協力を求められた場合には、適切に対応することとなる。
検察審査会法第四十一条の六第一項に規定する起訴議決がされた場合には、同法第四十一条の七第三項の規定により、検察審査会は、その認定した犯罪事実を記載した議決書の謄本を当該検察審査会の所在地を管轄する地方裁判所に送付しなければならないとされ、同法第四十一条の九第一項の規定により、裁判所は、議決書の謄本の送付があったときは、起訴議決に係る事件について公訴の提起及びその維持に当たる者を弁護士の中から指定しなければならないとされ、同法第四十一条の十第一項の規定により、指定を受けた弁護士は、原則として、速やかに、起訴議決に係る事件について公訴を提起しなければならないとされている。
公訴の提起があったときは、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百七十一条第一項の規定により、裁判所は、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならないとされ、同条第二項の規定により、公訴の提起があった日から二か月以内に起訴状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、遡ってその効力を失うとされている。