答弁本文情報
平成二十三年十一月四日受領答弁第一二号
内閣衆質一七九第一二号
平成二十三年十一月四日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員浅野貴博君提出いわゆる郵便不正事件に係る国家賠償等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員浅野貴博君提出いわゆる郵便不正事件に係る国家賠償等に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「冤罪」については、法令上の用語ではなく、政府として、「冤罪」の定義について特定の見解を有しておらず、特定の事件が「冤罪」であるか否かについても特定の見解を有しているものではない。いずれにせよ、検察当局においては、御指摘の村木氏に対する事件(以下「本件刑事事件」という。)について控訴を断念して上訴権を放棄し、同氏に対する謝罪の意を示すとともに、今回の事態を真摯に反省しているものである。
お尋ねの「原因」及び「最終的な責任」について一概にお答えすることは困難であるが、本件刑事事件における検察当局による捜査・公判活動については、最高検察庁が平成二十二年十二月に公表した「いわゆる厚労省元局長無罪事件における捜査・公判活動の問題点等について」において、村木氏を起訴した検察官が重要な証拠であるフロッピーディスクを改ざんするという重大な違法行為があったほか、客観証拠や供述の信用性の吟味及び決裁官による指導に不十分な点があったことなどが問題点として指摘されているものと承知している。
村木氏を起訴した検察官が本件刑事事件の重要な証拠であるフロッピーディスクを改ざんするという重大な違法行為があり、このような事案の特殊性に鑑み、認諾したものである。
お尋ねの「村木元局長の事件は最終的に解決したとみなす」の意味が必ずしも明らかではないが、本件刑事事件を含む大阪地方検察庁特別捜査部における一連の事態を受けて法務大臣の下に設けられた「検察の在り方検討会議」が取りまとめた「検察の再生に向けて」と題する提言を踏まえ、法務省及び検察当局においては、検察の再生及び国民の信頼回復のための多岐にわたる改革に取り組んでいるところである。
お尋ねは、現在、訴訟係属中の事件に関わる事柄であり、答弁を差し控えたい。
一般会計予算から支出したものである。
本件訴訟が、国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)第一条第一項に基づき国を被告として提起されたものであり、三についてでお答えしたとおりの違法行為があったことに鑑みて、同法に基づく損害賠償を行ったものである。