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答弁本文情報

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平成二十三年十一月十五日受領
答弁第二九号

  内閣衆質一七九第二九号
  平成二十三年十一月十五日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員近藤三津枝君提出政府におけるSPEEDIデータ共有に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員近藤三津枝君提出政府におけるSPEEDIデータ共有に関する質問に対する答弁書



一から三までについて

 枝野内閣官房長官(当時。以下同じ。)は、平成二十三年三月十六日以前に、内閣総理大臣官邸内の会議において、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(以下「SPEEDI」という。)の存在を知り、その際、SPEEDIを活用して放射線量の分布を推定できるのではないかとの指摘を行った。
 枝野内閣官房長官は、同年三月二十三日に、内閣府原子力安全委員会(以下「原子力安全委員会」という。)より、周辺環境における放射性物質の大気中濃度の測定結果等から推定される東京電力株式会社の福島第一原子力発電所からの放射性物質の放出量等に基づき周辺環境における積算線量を試算した結果について、報告を受けた。
 また、枝野内閣官房長官は、同年四月二十五日に、原子力安全委員会及び文部科学省より、福島第一原子力発電所から一ベクレルの放射性物質が放出されたと仮定した場合の周辺環境における放射性物質の大気中濃度及び空気吸収線量率の試算等の結果について報告を受けたが、その際、SPEEDIによる試算を行う原子力安全委員会、文部科学省及び経済産業省原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)に対して、以後、それぞれが行った試算結果を原則として公開するよう指示した。

四について

 原子力安全委員会が行った周辺環境における放射性物質の大気中濃度の測定結果等から推定される福島第一原子力発電所からの放射性物質の放出量等に基づく周辺環境における積算線量の試算等の結果については、平成二十三年三月二十三日以降、公開するとともに、原子力災害対策本部において、甲状腺等価線量が高くなる可能性があると評価された地域の小児を対象とした甲状腺被ばくの調査に活用した。
 文部科学省が行った福島第一原子力発電所から一ベクレルの放射性物質が放出されたと仮定した場合の周辺環境における放射性物質の大気中濃度及び空気吸収線量率の試算等の結果については、同年四月二十六日以降、公開している。
 保安院が行った福島第一原子力発電所から様々な量の放射性物質が放出されたと仮定した場合の放射性物質の大気中濃度及び空気吸収線量率の試算等の結果については、同年五月三日以降、公開するとともに、原子力災害対策本部において、福島第一原子力発電所における原子炉建屋の開放に伴う環境への影響評価に活用しているほか、福島県が実施する県民の被ばく線量の推定への協力を行うに当たり独立行政法人放射線医学総合研究所が行うシステム開発にも活用している。

五について

 政府においては、一定の仮定の下での試算結果を含め、SPEEDIの試算結果については、その具体的な活用、情報共有、公開の在り方等について十分でないところがあったと認識しており、今後、適切に対応していく体制を整備する観点から、「原子力安全規制に関する組織等の改革の基本方針」(平成二十三年八月十五日閣議決定)に基づき、原子力安全規制に係る関係業務を一元化することとし、SPEEDIの運用を含めた環境モニタリングの司令塔機能及び事故発生時の初動対応その他の危機管理の役割を担う「原子力安全庁(仮称)」を設置することを目指して作業を行っているところである。



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