答弁本文情報
平成二十三年十二月十六日受領答弁第一一九号
内閣衆質一七九第一一九号
平成二十三年十二月十六日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員浅野貴博君提出冤罪の定義に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員浅野貴博君提出冤罪の定義に関する第三回質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「真犯人」については、御指摘の答弁書においては、真実、罪を犯した者を念頭に置いて用いたものである。
御指摘の柳原氏については、強姦罪等により起訴され、平成十四年十二月に懲役三年の実刑判決が確定し、服役したが、平成十九年十月に富山地方裁判所高岡支部における再審で無罪判決が言い渡されて同判決が確定しており、同判決において、「犯人でないことは明らか」であるとの判断が示されているものと承知している。
御指摘の菅家氏については、殺人罪等により起訴され、平成十二年七月に無期懲役の判決が確定し、服役したが、平成二十二年三月に宇都宮地方裁判所における再審で無罪判決が言い渡されて同判決が確定しており、同判決において、「犯人ではないことは誰の目にも明らかになったというべきである」との判断が示されているものと承知している。
御指摘の櫻井氏及び杉山氏については、強盗殺人罪等により起訴され、昭和五十三年七月にいずれも無期懲役の判決が確定し、服役したが、平成二十三年五月に水戸地方裁判所土浦支部における再審でいずれも強盗殺人罪につき無罪とする判決が言い渡されて同判決が確定しており、同判決において、「強盗殺人の犯人であると証明するに足りる証拠は存在しない」との判断が示されているものと承知している。
法務省が本年八月八日に公表した「取調べの可視化に関する法務省勉強会の検討結果(概要)」における「えん罪」という用語は、先の答弁書(平成二十三年十二月二日内閣衆質一七九第六七号)一から五までについてで述べたとおり、真犯人ではない者に対する有罪判決が確定するなどの事態を念頭に置き、被疑者の取調べ状況を録音・録画の方法により記録する制度の目的に関し、いやしくも真犯人ではない者に対する有罪判決が確定するなどの事態を生むことがないようにすることの重要性を表すために用いたものであって、政府としては、過去の個別具体的な事件について、それが「えん罪」に当たるか否かをお答えすることは困難である。