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答弁本文情報

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平成二十四年八月十日受領
答弁第三五六号

  内閣衆質一八〇第三五六号
  平成二十四年八月十日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員橘慶一郎君提出国家公務員の職員団体や労使交渉の現状に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員橘慶一郎君提出国家公務員の職員団体や労使交渉の現状に関する質問に対する答弁書



一について

 政府として把握できた範囲では、平成二十三年に職員団体との交渉が行われた府省は八、行われなかった府省は四である。

二について

 第百七十七回国会に提出した国家公務員の労働関係に関する法律案(以下「国公労法案」という。)においては、当局は職員の勤務条件に関する事項について認証された労働組合から適法な団体交渉の申入れがあった場合にはその申入れに応ずることとしているが、各府省において定期的に労働組合との団体交渉が行われるかどうかについては、相手方のある事柄であり、一概にお答えすることは困難である。

三について

 国公労法案においては、新制度への移行に向けた各府省の準備期間を確保するため、各省各庁の長又はその委任を受けた部内の国家公務員は国公労法案の施行の日から一定期間団体協約を締結できないとする等の経過措置を設け、この経過措置期間の経過後に新制度に完全に移行することとしているが、新制度の下で労働組合を結成するかどうかは職員の自由であり、また、結成された労働組合が団体交渉を行うかどうかは当該労働組合の判断に委ねられていることから、当該経過措置以外に、現行制度の下で職員団体との交渉が行われていない府省における新制度への移行に関する特段の措置は講じていない。
 組織率が五十パーセント未満の認証された労働組合が複数結成される場合もあり得るところであり、その場合には、それらの認証された労働組合からの交渉申入れに応じて団体交渉が行われることとなるが、いずれの労働組合にも加入していない職員については、自らの意思で労働組合に加入していないものであり、当該職員と勤務条件に関する事項について調整を行う仕組みは設けていない。

四について

 国家公務員制度改革推進本部事務局において、お尋ねの勤務条件について、職員団体との交渉がなされた実績はない。

五について

 平成二十四年八月六日現在の国家公務員制度改革推進本部事務局の職員に対し、当局側の国家公務員として、職員団体との交渉を行った経験の有無を確認したところ、約五割の職員から交渉の経験を有するとの回答があった。

六について

 お尋ねの「職員団体(連合体を含む。)との会見」の範囲が必ずしも明らかではないが、国家公務員制度改革を担当する大臣として職員団体との間で説明や意見交換のために実施した会見のうち、鳩山内閣以降の公務員制度改革担当大臣が出席した会見の回数は一回であり、菅内閣における中野公務員制度改革担当大臣(当時)が出席したところである。

七について

 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の三に規定する職員団体の登録制度は、当局と職員団体との交渉を効果的に行うことにより、正常かつ安定的な労使関係を確立することを目的とするものである。そこで、当該職員団体に加入している職員の利益を最もよく代表し得る条件を備えたものを登録の資格を有する職員団体とするため、役員を除く職員団体の構成員の全員が職員であることを要件としている。なお、役員に関する要件については、「結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)」(昭和四十年条約第七号)第三条において、労働者団体は自由にその代表者を選ぶ権利を有する旨定められている趣旨を踏まえ、役員が同時に構成員であるという我が国の労働者団体の実情を考慮し、職員でない役員を構成員とすることができることとしたものである。

八について

 国公労法案を含む国家公務員制度改革関連法案(以下「国家公務員制度改革関連法案」という。)における自律的労使関係制度の措置は、国家公務員の労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告制度を廃止し、労使が職員の勤務条件について真摯に向き合い、当事者意識を高め、労使交渉を通じて自律的に勤務条件を決定し得る仕組みに変革するものである。
 このような制度の趣旨に鑑みれば、団体協約の締結を可能とする労働組合の認証の要件を組合員の全員が職員であるものに限定することにより、職員が主体となって自主的に組織した労働組合であるにもかかわらず、職員でない者が加入していることをもって団体協約を締結する主体から除外することは適当ではない一方、労働組合に加入している職員の意見が当該労働組合によって適正に代表されることを制度的に担保する必要がある。
 このため、国公労法案においては、組合員の全員が職員であることは要しないこととし、労働組合の組合員の過半数が職員であること及び重要な行為を組合員全員の過半数で決定するなど労働組合が民主的に運営されていることを労働組合の認証の要件としているものである。

九について

 国家公務員制度改革関連法案においては、職員でない者も一定の限度で労働組合に加入できることとされているが、労働組合の組合員の範囲は、職員でない者の加入を含め、各労働組合が自主的に決定する事項である。

十について

 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十五条第九項の規定は、地方公共団体の当局と職員団体との交渉の結果合意した事項を明確にするため、職員団体は当局と書面による協定を結ぶことができることを定めたものである。なお、国家公務員法では、明文の規定はないが、当局と職員団体との交渉の結果合意した事項を書面にすることは差し支えないと理解されている。

十一について

 政府として把握できた範囲では、平成二十三年に各本府省が行った職員団体との交渉は、少なくとも二百十六件以上行われている。施設等機関及び地方支分部局における職員団体との交渉は、網羅的には把握していない。
 なお、合意事項が文書化されているかどうかという点については、把握していない。

十二について

 国家公務員制度改革については、政府としては、既に、国家公務員制度改革関連法案を平成二十三年六月三日に国会に提出しているところであり、その早期成立に向けて努力してまいりたい。



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