衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十六年十月二十四日受領
答弁第二五号

  内閣衆質一八七第二五号
  平成二十六年十月二十四日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員阿部知子君提出高校生等に対する自衛官等募集ダイレクトメール送付及び住民基本台帳情報利用に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出高校生等に対する自衛官等募集ダイレクトメール送付及び住民基本台帳情報利用に関する再質問に対する答弁書



一について

 お尋ねについては、先の答弁書(平成二十六年十月七日内閣衆質一八七第二号。以下「前回答弁書」という。)一の@についてから一のBについてまででお答えしたとおりである。

二の@について

 お尋ねの「中学生本人にDMを発送していないことを確言できるのか」については、防衛事務次官通達(平成十五年四月三日付防人二第三四四一号)において、中学生に対する個別の募集広報については、当該中学生の保護者又は当該中学生が就学する中学校の進路指導担当者を通じてのみ行うことができるとしていることから、前回答弁書二の@についてで「中学生本人に対する文書による直接の募集が直近五年間において行われた例について承知していない」とお答えしたものであるが、「中学生にダイレクトメールが届いたとの声も聞かれる」との御指摘を踏まえ、調査を行ったところ、自衛隊地方協力本部が陸上自衛隊高等工科学校の生徒に関し、中学生本人に対する文書による直接の募集を行った例が、現時点において、五百一件確認された。また、自衛隊地方協力本部は、中学生の保護者に対しては、当該生徒に係る文書による募集を行っている。防衛省としては、今後、当該事務次官通達の趣旨について、改めて周知徹底してまいりたい。
 なお、地方公共団体が、中学生本人に対して直接、又は中学生の保護者に対して、当該生徒に係る文書による募集を行っているか否かについては、政府として把握していない。

二のAについて

 御指摘の前回答弁書二のAについてで「中学生については、自衛官及び自衛官候補生の募集対象ではないことから、市町村の長に対し、中学生の氏名、生年月日等の情報に関する資料について提出は求めていない」とお答えしたのは、自衛隊法施行令(昭和二十九年政令第百七十九号)第百二十条の規定により、市町村(特別区を含む。以下同じ。)の長に対し、個人の氏名、生年月日等の情報に関する資料の提出を求めることができるのは、およそ自衛官及び自衛官候補生の募集に関し必要があると認められる場合に限られていることなどによる。
 しかしながら、御指摘を踏まえ、調査を行ったところ、御指摘の「平成二十五年十一月十四日付自衛隊新潟地方協力本部長発新潟市長宛「適齢者情報の提出について(依頼)」(新潟地本第九三九号)」を含め、自衛隊地方協力本部長が市町村の長に宛てた依頼文書において、中学生についての当該情報に関する資料の提出を依頼しているものがあることが判明した。
 中学生は、陸上自衛隊高等工科学校の生徒の募集対象者であることから、中学生についての当該情報が必要である場合は、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第二十九条第一項及び第三十五条の規定に基づく募集事務として、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十一条第一項に規定する「法令で定める事務の遂行のために必要である場合」として、住民基本台帳の一部の写しの閲覧を通じて入手することも可能であり、自衛隊地方協力本部が市町村の長に対し当該情報に関する資料の提出を依頼することは適切ではないことから、防衛省としては、今後、当該情報を適切に入手することを徹底してまいりたい。

二のBについて

 お尋ねについては、自衛隊地方協力本部が、陸上自衛隊高等工科学校の生徒の募集対象である中学生の保護者に対して個別に文書による募集を行うなどの方法により、陸上自衛隊高等工科学校の生徒の募集に利用しているが、このような利用は当該募集事務の遂行に必要なものであり、妥当なものであると考える。

三の@及びAについて

 先の質問主意書(平成二十六年九月二十九日提出質問第二号。以下「前回質問主意書」という。)三の@からEまででお尋ねのあった自衛官及び自衛官候補生の募集に関する地方公共団体との調整に係る情報については、公にすることにより、防衛省と当該地方公共団体との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から、お答えを差し控えたものである。

三のBについて

 御指摘の住民基本台帳法第十一条第三項は、住民基本台帳の一部の写しの閲覧制度の運用について、透明性を高めることを目的として、閲覧を認めた相手方や請求事由の概要等を公表する旨規定している。お尋ねの「住民基本台帳閲覧に係る情報」の意味するところが必ずしも明らかではないが、前回質問主意書三の@からEまででお尋ねのあった自衛官及び自衛官候補生の募集に関する地方公共団体との調整に係る情報は、同項で規定する公表内容から判明する性質のものではなく、これを公にすることにより、防衛省と当該地方公共団体との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から、お答えを差し控えたものである。

四の@について

 自衛官及び自衛官候補生の募集は、自衛隊の人的基盤を支えるとともに、組織の精強性を維持するという観点から極めて重要であり、地域社会と深いつながりを有する地方公共団体を通じて確実に行うことも必要不可欠であることから、当該募集については、自衛隊法第九十七条の規定により都道府県の知事及び市町村の長がその事務の一部を行うこととしている。これに対して、防衛大学校若しくは防衛医科大学校の学生又は陸上自衛隊高等工科学校の生徒は、幹部自衛官等となるために専ら教育訓練のみを受ける者であることから、その募集については、防衛省が行うこととしているものである。

四のAについて

 前回答弁書四のAについてで述べたとおりである。

五の@及びBについて

 お尋ねの「説明内容の変遷」の意味するところが必ずしも明らかではないが、自衛官及び自衛官候補生の募集に関し必要となる個人の氏名、生年月日等の情報に関する資料について防衛大臣が市町村の長に対し提出を求めることができるものと解される法令上の根拠については、前回答弁書五の@についてで述べたとおりであり、説明に当たっての表現振りの違いはあるとしても、当該法令上の根拠が自衛隊法第九十七条第一項及び自衛隊法施行令第百二十条の規定であることは、政府としての一貫した見解である。

五のAについて

 お尋ねの「自衛隊法施行令第百二十条の制定時の趣旨が何であったと考えるのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、自衛隊法施行令第百二十条の規定は、同条の制定時においては内閣総理大臣に対して、自衛官の、現在においては防衛大臣に対して、自衛官及び自衛官候補生の、募集事務に関する各種の情報について、必要に応じて、報告又は資料の提出を求めることができる権限を付与した規定であると考える。
 なお、特定の書籍における個別の記述について、政府として答弁することは差し控える。

五のCについて

 前回答弁書五のAについてで述べたとおり、自衛隊法第九十七条第一項及び自衛隊法施行令第百二十条の規定により自衛官及び自衛官候補生の募集に関し必要な資料を市町村の長が自衛隊地方協力本部に提出することは、これらの規定に基づいて遂行される適法な事務であり、住民基本台帳法上に明文の規定がないからといって、特段の問題を生ずるものではないと考える。

五のDについて

 前回答弁書五のBについてで述べたとおり、住民基本台帳の一部の写しの閲覧の請求に当たっては、必要な範囲での閲覧に限定させる趣旨から、住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付に関する省令(昭和六十年自治省令第二十八号)第一条第二項第一号の規定により、「請求に係る住民の範囲」を明らかにして行うこととされており、住民基本台帳の一部の写しのうち請求に係る住民のみを記載したものを用いて閲覧させることは住民基本台帳法上予定されているところである。

六の@について

 国又は地方公共団体の機関が住民基本台帳法第十一条の規定に基づき住民基本台帳の一部の写しの閲覧を請求するに当たっては、御指摘のように「法令名及び条項を明示する」だけでは足りず、同条第二項第二号に規定する「犯罪捜査等のための請求」の場合を除いて具体的に請求事由等を明らかにする必要があり、「法令で定める事務」の遂行のために必要である場合にのみ閲覧を請求することができるものである。

六のA及びBについて

 前回答弁書六の@及びCについてで述べたとおり、お尋ねの「自衛官等募集事務」については、住民基本台帳法第十一条第一項に規定する「法令で定める事務」の遂行のために必要である場合に該当し、住民基本台帳の一部の写しの閲覧を請求することができるものであり、御指摘の「法の濫用」や「特権」には当たらないと考える。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.