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答弁本文情報

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平成二十八年五月十三日受領
答弁第二五五号

  内閣衆質一九〇第二五五号
  平成二十八年五月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員福田昭夫君提出消費増税が日本経済に与える悪影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員福田昭夫君提出消費増税が日本経済に与える悪影響に関する質問に対する答弁書



一について

 平成二十九年四月の消費税率の十パーセントへの引上げ(以下「消費税率の十パーセントへの引上げ」という。)は、社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、市場や国際社会における我が国の信認を確保するため、リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施することとしている。その上で、政府としては、経済財政運営に万全を期してまいりたい。

二について

 御指摘の安倍内閣総理大臣の答弁は、経済をしっかり成長させて、デフレ脱却を確かなものとする中において、税収を増やし、歳出改革も進めながら、財政健全化を進めていくという、経済成長なくして財政健全化なしとの安倍内閣の基本方針を述べたものである。

三について

 消費税率の十パーセントへの引上げについては、経済環境を整える中で、実施することとしており、経済の好循環を力強く回すとともに、消費税率引上げに伴う駆け込み需要・反動減を平準化するなど、経済財政運営に万全を期してまいりたい。

四について

 消費税率の十パーセントへの引上げは、社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、市場や国際社会における我が国の信認を確保するため、リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施することとしている。その増収分は全額、社会保障の充実・安定化に充てることとしている。引き続き、政府としては、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定)第三章に定めた「経済・財政再生計画」に基づき、経済と財政双方の再生を目指す経済・財政一体改革に取り組むことで、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、財政の持続可能性を確保してまいりたい。

五について

 平成二十六年四月の消費税率引上げが消費に大きな影響を与えたのは事実である。このため、平成二十七年十月に予定されていた消費税率の十パーセントへの引上げは十八か月延期され、この間、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を柱とする経済財政政策を推進してきた。その結果、賃上げも順調に行われ、成長軌道に戻ってきている。政府としては、消費税率の十パーセントへの引上げに向けて、経済の好循環を力強く回すことにより、そのための経済状況を作り出していく。また、本年一月に内閣府が公表した「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十八年一月二十一日経済財政諮問会議提出)は、平成二十六年四月の消費税率引上げが経済に与えた影響を踏まえて作成されており、「その事実を発表していない」との御指摘は当たらない。

六について

 お尋ねの「外国人を優遇し日本人を冷遇するのか」の意味するところが必ずしも明らかでないが、観光立国の推進による訪日外国人旅行者の増加は地方を含む我が国の経済成長に寄与しており、また、アベノミクス「三本の矢」の政策によって、デフレではないという状況を作り出す中で、名目GDPは二十七兆円増え、雇用・所得環境も確実に改善していると考えている。

七について

 日本銀行による金融政策の具体的な手法については、同行の金融政策運営に関するものであり、同行の自主性を尊重する観点から、お答えすることは差し控えたいが、お尋ねの「金融緩和の限界」については、平成二十八年四月二十日の衆議院財務金融委員会において、黒田東彦日本銀行総裁が「当面、今後何年も国債の買い入れについて量的な限界あるいは技術的な限界が来るということはないと思っております」と答弁しているものと承知している。政府としては、平成二十五年一月二十二日に政府及び同行が共同で公表した「内閣府、財務省、日本銀行「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」」にもあるように、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び同行の政策連携を強化し、一体となって取り組んでまいりたい。

八について

 お尋ねの「なおも更なる累増が見込まれる」に関しては、国・地方の債務残高の累増が見込まれる旨を述べたものであり、「中長期の経済財政に関する試算」の「経済再生ケース」において国・地方の公債等残高が増加する試算結果となっていることと整合的なものとなっている。

九から十一までについて

 ハイパーインフレーションに係るお尋ねについては、先の答弁書(平成二十八年三月十八日内閣衆質一九〇第一七四号)八についてでお答えしたとおりである。
 また、「中長期の経済財政に関する試算」の「経済再生ケース」における名目長期金利は、経済成長率の高まりとともに上昇していることや、基礎的財政収支が改善していく姿となっていること等から、御指摘の「財政に対する市場の信認が喪失し、金利が急激に上昇するようなこと」には当たらないと考えている。一方で、御指摘の「財政に対する市場の信認が喪失し、金利が急激に上昇するような」事態となった場合には、経済・財政及び国民生活に重大な影響が及ぶと考えられる。
 政府としては、引き続き、「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針の下、「経済・財政再生計画」に沿って、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」を三本柱として、「経済・財政一体改革」に取り組んでまいりたい。



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