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答弁本文情報

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平成二十八年十月七日受領
答弁第一八号

  内閣衆質一九二第一八号
  平成二十八年十月七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員福田昭夫君提出日銀の政策変更で今後国債の暴落は起こり得なくなったのではないかという疑問に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員福田昭夫君提出日銀の政策変更で今後国債の暴落は起こり得なくなったのではないかという疑問に関する質問に対する答弁書



一及び十について

 国債の価格は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものであり、その動向について言及することは市場に無用の混乱を生じさせかねないことから、国債の価格の動向に関するお尋ねにお答えすることは差し控えたい。
 日本銀行は、二パーセントの「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしている。政府としては、平成二十五年一月二十二日に政府及び同行が共同で公表した「内閣府、財務省、日本銀行「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」」にもあるように、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び同行の政策連携を強化し、一体となって取り組んでまいりたい。

二について

 我が国の財政については、極めて厳しい状況にあり、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、その持続可能性を確保することが重要である。政府としては、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定)に盛り込まれた「経済・財政再生計画」に基づき、平成三十二年度の財政健全化目標の達成に向けて、経済と財政双方の再生を目指す経済・財政一体改革に取り組むこととしている。

三について

 実質GDP成長率二パーセント程度、名目GDP成長率三パーセント程度を上回る経済成長を実現するためには、中長期的に潜在成長率を押し上げていくことが必要である。そのため、「未来への投資を実現する経済対策」(平成二十八年八月二日閣議決定)により民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につなげるとともに、働き方改革に取り組むなど、あらゆる政策を総動員してまいりたい。

四、八及び九について

 「経済財政モデル(二〇一〇年度版)」(平成二十二年八月内閣府公表)において公表している乗数表では、御指摘の「国債の発行を増やせば増やすほど、国の借金の対GDP比は減って行く」とのケースは示していない。
 また、「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十八年七月二十六日経済財政諮問会議提出)における長期金利は、内閣府の計量モデルに基づき、経済と財政が整合的となる一つの姿として、一定の前提の下で試算を行ったものである。
 今後長期金利が上昇しないとの仮定を前提としたお尋ねにお答えすることは困難である。また、長期金利は、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものであるため、御指摘の長期金利を固定した場合についての乗数を試算する予定はない。

五について

 お尋ねの「国の債務の対GDP比ではないと答弁の間違いが訂正されたと理解してよいか」の意味するところが必ずしも明らかでないが、先の答弁書(平成二十八年五月十三日内閣衆質一九〇第二五五号)八についてでは、累増が見込まれるのは国・地方の債務残高であることを述べたものである。

六について

 お尋ねについては、仮定の御質問であることからお答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、日本銀行が保有している国債も政府の債務として扱うべきと考えている。

七について

 日本銀行が保有する国債が償還期限を迎えたときの対応については、同行が、適正に判断するものと考えているが、一般論としては、無利子・無期限の債券に経済的価値を認めることは難しいと考えられることから、御指摘の「コンバート」を行えば、財政運営及び通貨に対する信認を著しく損なうおそれがある。

十一について

 お尋ねについては、仮定の御質問であること、また、日本銀行の金融政策運営に関するものであり、同行の自主性を尊重する観点から、お答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、同行の財務の健全性については、まずは同行において関係法令の規定に則して適切な運営が図られるべきものであると考えている。

十二について

 「中長期の経済財政に関する試算」では、平成三十一年十月の消費税率引上げの影響について、駆け込み需要・反動減に加え、物価上昇による消費への影響も試算に織り込んでいる。
 また、政府としては、同月の消費税率の十パーセントへの引上げに向けて、確実に成果を生んでいるアベノミクスを一層加速させ、経済財政運営に万全を期していくこととしている。

十三について

 消費税率引上げや原油価格の変動が経済に与える影響は様々であると考えられ一概にお答えすることは困難であるが、デフレではないという状況となり、雇用・所得環境も確実に改善していると考えている。

十四について

 消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、勤労世代など特定の者へ負担が集中しない、といった特性があり、社会保障の財源としてふさわしいと考えている。
 政府としては、平成三十一年十月の消費税率の十パーセントへの引上げに向けて、確実に成果を生んでいるアベノミクスを一層加速させ、経済財政運営に万全を期していくこととしている。

十五について

 我が国の財政状況については、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれるなど、極めて厳しい状況にある。政府としては、引き続き、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、適切な財政運営を行っていくべく、「経済・財政再生計画」に沿って、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」を三本柱として、「経済・財政一体改革」に取り組んでまいりたい。



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