答弁本文情報
平成三十年二月二十日受領答弁第七二号
内閣衆質一九六第七二号
平成三十年二月二十日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員山井和則君提出裁量労働制が適用される営業職の人数に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出裁量労働制が適用される営業職の人数に関する質問に対する答弁書
一及び三について
お尋ねについては、労働政策審議会が昨年九月に答申した働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱においては、現行の労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十八条の四の規定によるみなし労働時間制度(以下「企画業務型裁量労働制」という。)について、「(一)事業の運営に関する事項について繰り返し、企画、立案、調査及び分析を主として行うとともに、これらの成果を活用し、当該事業の運営に関する事項の実施状況の把握及び評価を行う業務」及び「(二)法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を主として行うとともに、これらの成果を活用し、当該顧客に対して販売又は提供する商品又は役務を専ら当該顧客のために開発し、当該顧客に提案する業務(主として商品の販売又は役務の提供を行う事業場において当該業務を行う場合を除く。)」を新たに企画業務型裁量労働制の対象となる業務(以下「新対象業務」という。)として追加することとされているが、新対象業務には、企画、立案、調査及び分析「の成果を活用し、当該事業の運営に関する事項の実施状況の把握及び評価」及び「法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析」等の業務が含まれており、これらの業務については、同条第一項第一号に規定する対象業務の対象となっていないためである。
また、お尋ねの「現在の企業の中で、どのような部署に所属し、業務を行う労働者が対象になりうるのか」については、企業組織の在り方は個々の企業ごとに様々であると考えられることから、一概にお答えすることは困難である。
お尋ねについては、新対象業務に該当するか否かについて、個別具体的に判断する必要があるため、お答えすることは困難である。
お尋ねの観点からは、統計をとっておらず、お答えすることは困難である。
平成二十五年度労働時間等総合実態調査結果において、一般労働者(労働基準法第三十二条の四に規定する一年単位の変形労働時間制の対象労働者及び労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)第五条に規定する事業等に従事する労働者以外の労働者をいう。)のうち、事業場ごとの労働時間が「平均的な者」の一日の法定時間外労働時間の平均は一時間三十七分である。お尋ねの「一般労働者(平均的な者)」の一日の実労働時間については、これに、一日の法定労働時間である八時間を加えた、九時間三十七分である。
平成三十年一月三十一日の参議院予算委員会における、加藤厚生労働大臣の「平成二十五年労働時間等総合実態調査、これ、厚生労働省が調べたものでありますけれども、平均的な一般労働者の時間が、これは一日の実労働時間ですが、九時間三十七分に対して企画業務型裁量労働制は九時間十六分と、こういう数字もある」との答弁は、これについて述べたものである。
なお、平成三十年二月十四日の衆議院予算委員会において、加藤厚生労働大臣が、精査に相当の時間を要するようなデータを答弁したことについて、当該答弁を撤回する旨の答弁をしたところである。
お尋ねについて、労働者の賃金(所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金等を除く。)を所定労働時間数で除した額が、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)に基づき当該労働者に適用される最低賃金額を下回る場合に、同法違反となることとされている。
したがって、同法に規定する最低賃金額が適用される労働者の賃金を実労働時間で除した金額が当該最低賃金額を下回る場合に、直ちに同法違反となるわけではないと考えている。