答弁本文情報
平成三十年三月十六日受領答弁第一三一号
内閣衆質一九六第一三一号
平成三十年三月十六日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員奥野総一郎君提出神戸製鋼製品の検査データ改ざん問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員奥野総一郎君提出神戸製鋼製品の検査データ改ざん問題に関する質問に対する答弁書
一について
株式会社神戸製鋼所によれば、同社(子会社及び関連会社を含む。)において検査結果の改ざん又はねつ造等が行われた製品(以下「不適合製品」という。)のうち、平成二十五年三月から平成三十年二月までの間に政府に直接出荷したことが判明している製品は、防衛分野において計十六である。
特定放射性廃棄物の最終処分等に関する研究開発において、株式会社神戸製鋼所の子会社である株式会社コベルコ科研が、データの改ざん等を行っていたことは承知している。
お尋ねの「神戸製鋼の製品そのもの」の意味するところが必ずしも明らかではないが、株式会社神戸製鋼所の製品が、我が国の発電用原子炉施設、航空運送事業の用に供する航空機(以下「航空機」という。)及び鉄道車両において使用されているという事実については承知している。
政府としては、平成二十九年十月十六日(現地時間)に、株式会社神戸製鋼所の子会社であるKobeSteel USA Inc.が、米国司法当局から、株式会社神戸製鋼所(子会社及び関連会社を含む。)が米国顧客に対して販売した製品の仕様不適合に関する書類を提出することを求める書面を受領したと承知している。
お尋ねの「企業によるデータ改ざんなどの不正」の意味するところが必ずしも明らかではなく、網羅的にお答えすることは困難ではあるが、政府として、平成三十年三月十二日時点で把握している限りにおいては、例えば、経済産業省及び国土交通省として製造業の事業者から情報を聴取して安全性の検証、再発防止の徹底等を指導したもの並びに一般社団法人日本経済団体連合会が平成三十年二月六日から同年三月五日までに「品質管理に係わる調査報告」として公表したものは、合わせて十四事案であると承知している。
お尋ねの「政府として交換や賠償を求めること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、五についてでお答えした十四事案に関連する製品の中には、発電用原子炉施設又は航空機等で使用されているものがあるところ、事業者を中心として安全性に係る確認が行われているものと承知している。その上で、政府としては、引き続き、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)や航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)等の法令に基づく対応の要否を必要に応じて判断するとともに、各事業者の安全上の対応状況について、注視していくこととしている。
政府としては、株式会社神戸製鋼所等の事案は、各事業者の品質保証体制に関わることであって経営に関する事柄であると認識している。それぞれの事案の原因については、各事業者の状況に応じて異なるものであり、一概にお答えすることは困難である。しかしながら、経済産業省としては、サプライチェーンの存在を考慮すれば、我が国産業全体の競争力にも悪影響を及ぼしかねないと認識しているところ、飽くまで産業界が品質保証体制を具体的に強化していくことが基本ではあるが、同省が、平成二十九年十二月二十二日に公表した対応策に基づき、産業界の取組を多面的に後押ししていくこととしている。
御指摘の「本年三月六日に同社が発表した「当社グループにおける不適切行為に関する報告書」」は、不適合製品等の出荷又は提供について、株式会社神戸製鋼所が平成二十九年十月二十六日に設置した外部調査委員会の調査結果に基づき、事実関係、原因分析、再発防止策等を記載したものであると承知しており、政府としては、同社に対し、この報告書に基づいた再発防止策の徹底を求めている。
お尋ねの「データ」の意味するところが「平成二十五年度労働時間等総合実態調査結果」(以下「平成二十五年度調査結果」という。)ならば、安倍内閣総理大臣から、平成三十年一月二十九日の衆議院予算委員会における「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもあるということは御紹介させていただきたい」という答弁について、精査が必要な平成二十五年度調査結果を基に行ったものとして、撤回し、おわび申し上げたところである。
また、学校法人森友学園への国有地の売却等に関する決裁文書については、調査を実施した結果、財務省理財局において、複数の決裁文書の書換えが行われていたことが明らかになり、おわびを申し上げたところである。今後、引き続き更なる調査を進めてまいりたい。