答弁本文情報
平成三十年四月十日受領答弁第一九一号
内閣衆質一九六第一九一号
平成三十年四月十日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員阿部知子君提出医療機関における診療記録等個人情報の開示に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部知子君提出医療機関における診療記録等個人情報の開示に関する質問に対する答弁書
一及び二について
個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号。以下「法」という。)第三十三条第一項は、個人情報取扱事業者(法第二条第五項に規定する個人情報取扱事業者をいう。以下同じ。)は、法第二十八条第一項の規定による開示の請求を受けたときは、「当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができる」と規定し、法第三十三条第二項は、個人情報取扱事業者は、同条第一項の規定により手数料を徴収する場合は、「実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、その手数料の額を定めなければならない」と規定している。各医療機関が個人情報取扱事業者に該当する場合、法第二十八条第一項の規定による開示の請求を受けたときは、当該措置の実施に関し、法第三十三条第二項の規定を遵守する必要がある。いずれにせよ、政府としては、各医療機関において診療情報の提供が適切になされるよう、「医療機関における診療録の開示に係る実態調査について(協力依頼)」(平成二十九年九月二十五日付け厚生労働省医政局医事課長事務連絡)による調査の結果(以下「調査結果」という。)を踏まえ、必要な対応を行ってまいりたい。
保険医療機関における診療記録管理や医療安全対策を行う体制のうち一定の要件を満たすものについては、診療報酬においては診療録管理体制加算や医療安全対策加算により評価しており、今後とも、物価、賃金等の動向、保険医療機関の経営状況、医療保険財政の状況等を踏まえつつ、適切に評価してまいりたい。
御指摘の「開示の対象が「保有しているすべての個人情報」ではなく、カルテ等の「診療記録」に限定される」、「医師法などで保存期間を定めている期間を過ぎたもの(診療録は五年)は開示対象外にできる」、「この指針自体が医療機関にとっては事実上の抜け道となりかねない」及び「厚労省の「指針」は個人情報保護法に優越する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「診療情報の提供等に関する指針」(平成十五年九月十二日付け医政発第〇九一二〇〇一号厚生労働省医政局長通知別添。以下「指針」という。)は、医療機関が保有する診療録等の診療情報を提供するに当たって、どのような事項に留意すれば医療従事者等が診療情報の提供等に関する職責を全うできると考えられるかを厚生労働省として示したものであり、法の規定に優先して適用されるものではない。
調査結果を踏まえ、指針の内容を精査してまいりたい。なお、指針においては、御指摘の「開示請求様式」は定めていない。