答弁本文情報
平成三十年四月二十七日受領答弁第二四二号
内閣衆質一九六第二四二号
平成三十年四月二十七日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員尾辻かな子君提出高度プロフェッショナル制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員尾辻かな子君提出高度プロフェッショナル制度に関する質問に対する答弁書
一について
いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象業務については、平成二十七年二月に労働政策審議会において取りまとめられた今後の労働時間法制等の在り方について(建議)(以下「建議」という。)において、「具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等を念頭に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で適切に規定することが適当」とされているところであり、これを踏まえて労働政策審議会において議論していただき、厚生労働省令で定めることとしている。
お尋ねについては、例えば、電子的手法によることが考えられるが、いずれにしても、今国会に提出している働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(以下「本法律案」という。)の成立後に労働政策審議会において議論していただき、厚生労働省令で定めることとしている。
いわゆる高度プロフェッショナル制度については、労働者の同意を要件としているが、当該同意は撤回することができるものである。なお、同意を撤回する際の手続等については、今後検討することとしている。
お尋ねについては、個別具体的な状況に即して判断されるものであり、一概にお答えすることは困難である。
お尋ねについては、裁判所において判断されるものであり、政府としてお答えする立場にない。
本法律案による改正後の労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号。以下「新労基法」という。)第四十一条の二の適用を受ける者について、労働基準法第十五条の適用を除外するものとはしていない。
いわゆる高度プロフェッショナル制度は、法定の要件を満たした場合に、労働基準法第四章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定について、対象者に適用しないこととするものである。なお、当該制度においては、対象業務は「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」ことを要件としていること、対象者は労働条件に関する一定の交渉力を有していると考えられる者として「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」ことを要件としていること、さらに、当該制度の適用に当たって労働者の同意を必要としていることから、御指摘のような場合は通常想定されない。
いわゆる高度プロフェッショナル制度については、新労基法第四十一条の二第一項各号に規定する事項に関する決議を行政官庁に届け出ることが当該制度の要件の一つとされており、当該決議の届出がなされない場合は、当該制度は適用されないものである。また、決議の有効期間については、今後検討することとしている。
お尋ねについては、建議において、「届出を行った使用者には、健康・福祉確保措置の実施状況を六か月後に報告すること」とされているところであり、本法律案の成立後にこれを踏まえて労働政策審議会において議論していただき、厚生労働省令で定めることとしている。
お尋ねについては、個別具体的な状況に即して判断されるものであり、一概にお答えすることは困難である。
新労基法第四十一条の二第二項の規定による報告については、同条第一項第四号から第六号までに掲げる措置の実施状況を行政官庁が確認するために実施させるものであり、労働者に周知することを目的としたものではなく、新労基法第百六条の規定による周知の対象にもされていない。