答弁本文情報
平成三十年七月二十四日受領答弁第四三五号
内閣衆質一九六第四三五号
平成三十年七月二十四日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出GPS捜査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員逢坂誠二君提出GPS捜査に関する質問に対する答弁書
一のあ)について
警察庁としては、都道府県警察において移動追跡装置を取り付けて行う捜査が開始された具体的な時期を把握していないが、警察庁において移動追跡装置運用要領を制定したのは、平成十八年六月三十日である。
警察庁において把握している限りでは、平成二十六年から平成二十八年までに都道府県警察が移動追跡装置を取り付けて行う捜査に係る事件数について、都道府県警察における事前承認の記録に基づき調査した結果、平成二十六年は二百二十三件、平成二十七年は二十二件、平成二十八年は九件である。
警察庁においては、都道府県警察が使用する移動追跡装置を整備するための経費として、平成二十五年に約六十五万円を執行しており、当該整備に係る契約の主体は国である。これ以外の都道府県警察における移動追跡装置を取り付けて行う捜査に関する経費の支出及び契約の主体については、把握していない。
都道府県警察における移動追跡装置を取り付けて行う捜査及び当該捜査に係る契約については、都道府県警察の判断によって行われてきたものであり、その状況について警察庁に対して逐一報告がなされるものではなく、また、当該捜査の開始された時期及び当該捜査に係る契約に関する事項について、警察庁として調査を行う予定はない。
警察庁としては、千葉県警察において、移動追跡装置を取り付けて行う捜査を実施するために平成二十八年に検証許可状の発付を受けたものと承知しているが、個別の事件に関する事柄であり、当該検証許可状の記載事項についてはお答えを差し控えたい。
警察庁として、千葉県警察の事例のほかに一件の事例を把握しているが、これ以上の詳細については、個別の事件に関する事柄であり、お答えを差し控えたい。
警察庁としては、平成二十九年三月十五日最高裁判所大法廷判決(以下「本判決」という。)以降において、三重県警察の捜査員が捜査対象車両に移動追跡装置を取り付けて捜査を行った事案(以下「三重県事案」という。)については把握しているが、これ以外の事案については把握していない。
警察庁において、平成二十九年三月十五日に、都道府県警察に対し、検証許可状の発付を受けて行うものを含め、捜査対象車両に移動追跡装置を取り付けて行う捜査を控えるよう指示しているところであり、法務省及び警察庁が把握する限り、三重県事案を除き、本判決以降、捜査対象車両に移動追跡装置を取り付けて行う捜査は実施されていないものと承知している。
お尋ねについては、関係省庁において、移動追跡装置を取り付けて行う捜査に関する諸外国の法制度及びその運用状況について調査研究を行うとともに、本判決を踏まえつつ、当該捜査の有効性並びに憲法及び刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の諸原則に適合する制度の在り方について、必要な検討を行っているところである。