答弁本文情報
平成三十年七月二十七日受領答弁第四七二号
内閣衆質一九六第四七二号
平成三十年七月二十七日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員山井和則君提出働き方改革法案に対する附帯決議を踏まえた労働政策審議会での議論と、深刻な過労死の現状の把握等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出働き方改革法案に対する附帯決議を踏まえた労働政策審議会での議論と、深刻な過労死の現状の把握等に関する質問に対する答弁書
一及び二について
政府としては、附帯決議の趣旨を十分尊重していくこととしているが、そのうち法令改正が必要な事項については、労働政策審議会において議論していただくこととしており、附帯決議に盛り込まれた事項のうち、必要なものについては労働政策審議会において議論していただくべく、検討を進めているところである。
なお、御指摘の高度プロフェッショナル制度に係る法令改正については、労働政策審議会において議論していただくこととしている。
お尋ねの「過去五年の裁量労働制が違法に適用されていた過労死の件数を年度ごとに調べ、公表」する具体的な時期については現在検討中であるため、現時点でお答えすることは困難である。また、お尋ねの「違法に高度プロフェッショナル制度が適用されていた労働者が過労死した件数も、年度ごとに公表」することについては、労働者が、脳・心臓疾患又は精神障害を発症したときに、いわゆる高度プロフェッショナル制度の要件を満たしていたか否かにかかわらず、当該制度の対象労働者であるものとして働いていたかどうかという観点で集計し、公表する方向で検討していく考えである。
平成二十九年度において、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者であったことを労働基準監督署が把握した労働者が、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づき、脳・心臓疾患に起因する死亡として認定された件数は十二件であり、精神障害に起因する自殺(未遂を含む。)として認定された件数は十一件である。
個別の過労死等事案における労働者災害補償保険法に基づく補償に関する情報については、当該情報を匿名化したとしても、他の情報と照合することにより同法に基づく保険給付の請求を行った者が特定されるおそれがあるため、個人情報保護の観点から公表しないこととしている。
お尋ねについては、仮定の質問であることから、お答えすることは差し控えたい。
平成二十九年度において、日本標準職業分類の中分類で教員に分類される労働者が、労働者災害補償保険法に基づき、脳・心臓疾患に起因する死亡として認定された件数は一件であり、精神障害に起因する自殺(未遂を含む。)として認定された件数は零件である。
また、平成二十九年度において、地方公務員の教職員が、地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)に基づき、脳・心臓疾患に起因する死亡又は精神障害に起因する自殺による死亡として認定された件数は、地方公務員災害補償基金において平成三十一年二月の公表に向け取りまとめを行っているところであり、現時点では把握していない。なお、平成二十八年度に地方公務員災害補償基金において、脳・心臓疾患に起因する死亡として認定された件数は三件であり、精神障害に起因する自殺による死亡として認定された件数は三件である。