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答弁本文情報

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平成三十一年二月十九日受領
答弁第二五号

  内閣衆質一九八第二五号
  平成三十一年二月十九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員山内康一君提出離婚後の親権制度及び面会交流の在り方等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山内康一君提出離婚後の親権制度及び面会交流の在り方等に関する質問に対する答弁書



一の1について

 嫡出推定制度の見直しについては、現在、法務省において、その方向性を検討しているところである。父母の離婚後における親権制度の見直しについても、親子法制に関する検討課題の一つであると考えている。

一の2について

 御指摘の事情は、父母の離婚後における親権制度の見直しを検討するに当たり、考慮すべき事情の一つであると考えている。

二の1及び3について

 平成二十九年四月に、兵庫県において、いわゆる面会交流中に父が子を殺害するという事件が起きたことは、非常に痛ましいことと受け止めている。
 一般論として、子への暴力や、子の面前で行われる配偶者への暴力などがある事案においては、面会交流をすることが子の利益に反するおそれがあることから、面会交流の取決めをするに当たっては、面会交流の当否を含め、慎重な検討が必要になるものと考えられる。
 裁判所においても、面会交流について、子の利益の観点から、事案の性質に応じ、様々な事情を総合的に考慮した上で適切に判断しているものと承知している。

二の2について

 家庭裁判所の人的体制については、裁判所において、これまで増員してきた裁判官を含む裁判所職員の有効活用を図る等の必要な整備に努めてきたものと承知しているが、家事事件等の適正かつ迅速な処理を図るため、引き続き、適切に対応していくものと考えている。

三の1について

 児童虐待を行った保護者に対しては、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)及び児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)の規定に基づき、児童福祉司による必要な指導等を行うこととされている。
 政府としては、「「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」の更なる徹底・強化について」(平成三十一年二月八日児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議決定)において「「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(新プラン)(二千十九年度〜二千二十二年度)に基づき、児童福祉司を二千二十人程度増加等」すること、「特に、初年度(二千十九年度)について、児童福祉司を千七十人程度増加させるなど前倒しで取り組むこと」等とされており、児童虐待を行った保護者等に対する適切な指導を行うための児童相談所の体制強化を図ることとしている。

三の2について

 お尋ねの「暴力等」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、「第四次男女共同参画基本計画」(平成二十七年十二月二十五日閣議決定)に基づき、暴力の加害者に対し地域社会内で加害者更生プログラムを実施する場合の連携体制の構築も含め、その在り方について検討しているところであり、今後も引き続き、検討していくこととしている。
 また、配偶者への暴力に及んだことにより、刑罰に処せられ、刑事施設に収容されている受刑者や、保護観察に付されている者に対しては、その者の問題性や事案の内容に応じて、暴力を振るうことなく生活するための具体的なスキルを身に付けさせる暴力防止プログラムを実施するなど、その特性に応じた指導・支援を行っており、今後も引き続き、これらの取組を進めていくこととしている。

三の3について

 お尋ねの「暴力等」、「防止するため」及び「大学等」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、小学校の家庭科においては、小学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十七号)に基づき、「家庭生活と家族の大切さに気付く」こと、中学校の技術・家庭科においては、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)に基づき、「家庭や家族の基本的な機能と、家庭生活と地域とのかかわりについて理解する」こと、高等学校の家庭科においては、高等学校学習指導要領(平成二十一年文部科学省告示第三十四号)に基づき、「男女が協力して、家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について考えさせる」こと、「親の役割と保育、子どもの育つ環境について理解させ、子どもを生み育てることの意義を考えさせるとともに、子どもの発達のために親や家族及び地域や社会の果たす役割について認識させる」こと等について指導することとしている。なお、大学における教育内容については、各大学の教育理念等に応じて、自主的・自律的に定めるべきものである。

四の1及び2について

 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条第二項の規定に基づき戸籍謄本等の交付の請求を拒むことができるか否かについては、法務省民事局長通達「戸籍法及び戸籍法施行規則の一部改正に伴う戸籍事務の取扱いについて」(平成二十年四月七日付け法務省民一第千号)において、他人に知られたくないと思われる事項をみだりに探索し又はこれを公表するなどプライバシーの侵害につながるものその他戸籍の公開制度の趣旨を逸脱して戸籍謄本等を不当に利用する場合であることが明らかであるか否かによって判断される旨を示している。同項の規定に基づき戸籍謄本等の交付の請求を拒むことができるか否かを判断するに当たって考慮される事情は、個別具体的な事案に応じて様々であるが、一般論として、御指摘の内容の申出がされたとの事情は、右の判断に当たって考慮すべき事情の一つになり得るものと考えている。

四の3について

 御指摘の「加害者からの戸籍謄抄本等の交付請求」については、四の1及び2についてで述べたとおり、戸籍法第十条第二項の規定により事案に応じた適切な対応が可能であると考えている。



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