答弁本文情報
令和七年三月二十五日受領答弁第九四号
内閣衆質二一七第九四号
令和七年三月二十五日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員井坂信彦君提出人工魚の取扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員井坂信彦君提出人工魚の取扱いに関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「養殖業成長産業化総合戦略でニジサクラやゲノム編集マダイについて支援を行っている」及び「人工交配魚」の意味するところが必ずしも明らかではないが、農林水産省としては、「三倍体魚等の水産生物の利用について(通知)」(令和四年八月十九日付け四水推第七百九十三号水産庁長官通知。以下「水産庁長官通知」という。)において、ニジサクラを含む「三倍体魚等の水産生物」に関しては、その放流を含む利用実態の把握等について都道府県が「適切に対応」するよう通知したところであり、お尋ねのように「政府として放流した事業者に指導や処罰は行っ」ていない。
二について
御指摘の「人工的に作られた魚」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、「行政の監督責任」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の生物多様性影響に関する情報提供等の具体的な手続について」(令和元年十月九日付け元消安第二千七百四十三号農林水産省消費・安全局長通知)において、「カルタへナ法における「遺伝子組換え生物等」に該当しない生物」であって「ゲノム編集技術により得られた」ものに関しては、その「使用等に先立ち」提出された「情報提供書の案」について「生物多様性影響の観点から適切に記載されていること等」を農林水産省が確認することとしているほか、その「使用等の開始後」、「生物多様性影響を損なうおそれが生じた場合の対応」として、その「使用等をしている者又はした者」は、「直ちに、生物多様性影響を防止するために必要な措置を執るとともに、速やかに、執った措置等について」農林水産省に報告すること等としている。
また、一についてで述べたとおり、水産庁長官通知において、「三倍体魚等の水産生物」に関しては、その放流を含む利用実態の把握等について都道府県が「適切に対応」するよう通知したところである。
三について
御指摘の「人工的に作られた魚」、「遺伝子操作やゲノム編集による繁殖力のある新種」及び「人工魚」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一について及び二についてでお答えしたことに加え、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成十五年法律第九十七号)第二条第二項に規定する「遺伝子組換え生物等」については、例えば、同条第五項に規定する第一種使用等をしようとする者は、同法第四条第一項の規定に基づき第一種使用等に関する規程に係る農林水産大臣及び環境大臣の承認を受けなければならないこととしているところ、同項の規定に違反して第一種使用等をした者は、同法第三十九条第一号の規定により、罰則の対象となっていることから、政府としては、お尋ねの「制度の整備」を適切に行っているものと考えている。