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令和七年五月九日受領
答弁第一五九号

  内閣衆質二一七第一五九号
  令和七年五月九日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員井坂信彦君提出がん検診の新技術に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員井坂信彦君提出がん検診の新技術に関する質問に対する答弁書


一について

 「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(平成二十年三月三十一日付け健発第〇三三一〇五八号厚生労働省健康局長通知別添。以下「指針」という。)において、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が健康増進法(平成十四年法律第百三号)第十九条の二の規定に基づき実施する健康増進法施行規則(平成十五年厚生労働省令第八十六号)第四条の二第六号に掲げるがん検診(以下「がん検診」という。)を定めているところ、がん検診については、指針において「がんの死亡率を減少させることを目的」としており、また、公的財源の活用により実施されていること等の理由により、がんによる死亡率を減少させることについて信頼性の高い科学的根拠があると認められた検査の実施を推奨すべきと考えている。
 その上で、お尋ねについて、指針に定めるがん検診以外に「項目」を「拡大」することについては、現時点においては、当該科学的根拠があると認められるものはないことから、考えていない。

二について

 御指摘の「がん検診受診者」及び「受診しない人」は、それぞれ、がん検診を受診した者及びがん検診を受診しなかった者と理解すれば、政府としては、「全ての国民ががん検診を受診しやすい環境の整備を進める」ための具体的な施策として、これらの者に対して、御指摘のように「何らかのインセンティブを付与する」又は「デメリットを与える」という方法ではなく、例えば、市町村が、受診対象者に対し郵送や電話などにより個別の受診勧奨又は再勧奨を行う場合や、子宮頸がん検診や乳がん検診の初年度の受診対象者に対するクーポン券の配布等を行う場合において、これらに係る費用に対する補助を行ってきており、引き続き、こうした施策を推進してまいりたい。

三について

 疾病予防についての御指摘の「保険適用」については、令和四年四月十三日の衆議院厚生労働委員会において、政府参考人が「公的医療保険につきましては、その発生が偶発的で予測できない疾病や負傷といったリスクに対しまして被保険者相互の支え合いによって備えることを基本的な考え方としておりますので、現に疾病や負傷が生じていない状態で、任意に受けることができる疾病予防につきましては、保険給付の対象とはしていないところでございます。この疾病予防を保険給付の対象とすることにつきましては、このほかに、がん検診や予防接種など、幅広い疾病予防の取組をどのように整理するのか、医療保険財政が極めて厳しい中で保険者の理解が得られるのかなどの課題があり、慎重な検討が必要と考えております。」と答弁しているところである。
 その上で、お尋ねの「初期発見のため」の「PET検査」についても、当該「疾病予防の取組」であり、御指摘の「保険適用」については、慎重な検討が必要と考えている。

四について

 御指摘の「国立の医療研究機関が実証した技術」には様々なものがあり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、御指摘の「共同研究グループ」が「実証した」技術は、令和四年十二月七日に慶應義塾大学、東京医科大学、国立研究開発法人国立がん研究センター及び国立研究開発法人国立長寿医療研究センターが公表した「血中マイクロRNAによって十三種のがんを高精度に区別できることを実証−世界最大のヒト血清マイクロRNAデータベースを公開−」に記載の「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」における技術であると解すれば、当該プロジェクトにおいては、「バイオバンクに保管された血清を用いて」「がん患者の血清中に含まれるマイクロRNA・・・の網羅的解析データから、「がんの種類」を高い精度で区別できること」が報告されたものであって、一についてで述べたがんによる死亡率を減少させることについての研究が行われたものではないと承知しており、現時点においては、当該検査について、御指摘のように「政府のがん検診に組み入れるか、検診実施者に補助をするなどして推奨」することは考えていない。

五について

 御指摘の「消化器がんの遺伝子検査であるマイクロアレイ血液検査、・・・遺伝性腫瘍を調べる生殖細胞系列遺伝子検査」について、お尋ねの「保険適用」については、三についてで述べたとおりであり、また、「補助をするなどして検診を推奨すること」については、現時点においては、一についてで述べたがんによる死亡率を減少させることについて信頼性の高い科学的根拠があるとは認められないため、考えていない。

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