答弁本文情報
令和七年五月二十七日受領答弁第一八八号
内閣衆質二一七第一八八号
令和七年五月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員杉村慎治君提出ミミズ堆肥の農業利用および環境負荷軽減に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員杉村慎治君提出ミミズ堆肥の農業利用および環境負荷軽減に関する質問に対する答弁書
一の1、3及び4並びに二について
御指摘の「ミミズ堆肥」及び「相補的活用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、ミミズを用いて生産した堆肥に係る御指摘の「農業利用」については十分な知見を有していないため、これと他の堆肥とを組み合わせた利用も含めて「評価」は行っていないが、諸外国において、例えば、微生物とミミズを利用した固形状の有機性廃棄物の肥料化及びその農業上の利用について、土壌の性質の改善、作物の生産性の向上などに効果があるとする論文等があることは承知している。しかしながら、諸外国におけるこれらの研究の成果を我が国農業において活用できるか否かについては知見を有していないため、現時点において、ミミズを用いて生産した堆肥を農業政策に位置付け、これと他の堆肥とを組み合わせた利用も含めて御指摘のように「農業利用」に関する「研究・技術開発」の「支援」及び「科学的検証や実証試験」の「推進」を行うことは考えていない。
一の2について
御指摘の「ミミズ堆肥」及び「経緯」の意味するところが必ずしも明らかではないが、市販されている肥料及び土壌改良資材の中には、ミミズを用いて生産した堆肥を主原料としたものであって、「有機農産物の日本農林規格」(平成十七年農林水産省告示第千六百五号)に定める有機農産物の生産の方法についての基準に適合しているか否かを日本農林規格等に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)第二条第三項に規定する登録認証機関が審査し、適合していることを確認したものがあると承知している。
三の1について
御指摘の「中高生による科学研究コンテスト・・・の一環として」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「取組」については、政府として網羅的に把握していないところ、文部科学省として具体的に把握している個別の事例としては、内閣府、同省、特許庁及び環境省の後援により読売新聞社が主催した「第六十四回日本学生科学賞」において、高校生が実施したミミズを用いて生産した堆肥の開発に関する研究作品が「入選一等」を受賞したことが挙げられる。
三の2について
お尋ねについては、例えば、農業に関する学科を設置している高等学校における有機農業に関する教育に関しては、令和六年四月九日の衆議院農林水産委員会において、梶山文部科学省大臣官房文部科学戦略官が「農業高校において、有機農業も含めた環境保全型農業の教育を推進することは重要というふうに考えております」と答弁したとおりである。
四の1について
御指摘の「これら多様な有機資材の処理におけるミミズによる堆肥化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「剪定枝、落ち葉、紙類などの処理」にミミズを活用することについての十分な知見を有しておらず、その「適性」についてお答えすることは困難である。
四の2について
御指摘の「多様な有機資材の循環的処理」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」(令和七年環境省告示第六号)において、「循環型社会の形成」等に資することから、「廃棄物系バイオマスの利活用」を推進することとしており、その方法の一つとして「堆肥化処理」を示している。また、循環型社会形成推進交付金において、「循環型社会形成推進交付金交付取扱要領」(平成十七年四月十一日付け環廃対発第〇五〇四一一〇〇二号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知別紙)に基づき、「その他有機性廃棄物のたい肥化・・・等の資源化に必要な設備」を交付対象としている。