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答弁本文情報

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令和七年五月二十七日受領
答弁第一八九号

  内閣衆質二一七第一八九号
  令和七年五月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員杉村慎治君提出水田の持続可能性及び陸稲の活用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員杉村慎治君提出水田の持続可能性及び陸稲の活用に関する質問に対する答弁書


一について

 政府としては、「食料・農業・農村基本計画」(令和七年四月十一日閣議決定)において示したとおり、「基幹的農業従事者(十五歳以上の世帯員のうち、ふだん仕事として主に自営農業に従事している者)は、二千年の二百四十万人から二千二十四年には百十一万人と半減し、その年齢構成のピークは七十歳以上の層となって」おり、「農地は、我が国の人口一・二億人分の国内需要を賄うために必要な面積の三分の一程度しかない状況である」ことを踏まえ、「食料安全保障を確保し、農業の持続的な発展を図るためには、人・農地等の資源をフル活用し、食料自給力を確保することが必要である」と認識している。こうした中、御指摘の「水田政策」については、主食用米の需要が年々減少する中で、水田の有効活用を進めてきたところであり、例えば、「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」(令和六年七月農林水産省策定、令和七年三月変更)において示した「主食用米等」の「令和五/六年の需要実績」である七百五万トンに対して、飼料用米、米粉用米等の主食用米以外も含めた米穀の生産量は令和五年において七百九十一万トンであるなど、食料安全保障の確保の観点から一定の効果を上げていると考えている。

二について

 お尋ねの「水田から排出される温室効果ガス」としては御指摘のメタン及び一酸化二窒素があるが、このうち、メタンの排出量については、環境省において、気候変動に関する政府間パネルが平成十八年に策定したガイドラインの算定方法に従い、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)が開発した算定モデルであるDNDC−Riceモデルを用いて算定し、把握している。
 また、お尋ねの「今後の国際的枠組み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、農林水産省としては、「みどりの食料システム戦略」(令和三年五月十二日みどりの食料システム戦略本部決定)において、「二千五十年までに、輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量の三十パーセント低減」等を目標としているところであり、メタンについては、「地球温暖化対策計画」(令和七年二月十八日閣議決定)において、「二千三十年度において、二千十三年度比十一パーセント減の水準(約二千九百十万トン-CO2)、二千四十年度において二千十三年度比二十五パーセント減の水準(約二千五百万トン-CO2)にすることを目標」としており、同計画を踏まえた「農林水産省地球温暖化対策計画」(平成二十九年三月十四日農林水産省決定、令和七年四月十五日改定)に基づき、「水稲栽培における中干し期間の延長」等の「CH4の排出削減に資する取組」について、「J−クレジット制度」等を通じて推進するとともに、農研機構等と連携し、「水田からのCH4排出を抑制する低メタンイネ品種の開発」等を実施している。

三から五まで、七及び八について

 お尋ねの「陸稲」の「評価」については、「陸稲」は、その十アール当たりの収量の平均が水稲の半分程度であり、国内生産量も僅少であること及び産地の取組としてその生産等を推進している事例を承知していないというものである。
 このため、「陸稲」について、御指摘のように「政策的に位置付け」、「陸稲栽培を希望する農家への支援方策を講じる」ことを積極的に推進する段階にあるとは考えておらず、また、「研究開発や普及支援」、「普及促進」及び「農業モデルの導入について」の「研究や普及」についても、現時点において、具体的な検討は行っていない。

六について

 お尋ねの「農家にとっては労働力の分散や収益の多角化につながる」かどうかの「可能性」については、産地における個々の生産者の生産する農産物の種類等の状況及び経営判断によるものであるが、三から五まで、七及び八についてで述べたとおり、産地の取組として「陸稲」の生産等を推進している事例を承知しておらず、現時点で一概にお答えすることは困難である。

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