答弁本文情報
令和七年十二月十二日受領答弁第九九号
内閣衆質二一九第九九号
令和七年十二月十二日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員八幡愛君提出児童発達支援管理責任者の現場運用の在り方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員八幡愛君提出児童発達支援管理責任者の現場運用の在り方に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「直接観察」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「個別支援計画」は、児童発達支援計画(児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成二十四年厚生労働省令第十五号。以下「基準省令」という。)第二十七条第一項に規定する児童発達支援計画をいう。以下同じ。)を指すものと理解した上で、同条第二項の規定において、「児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の作成に当たっては、適切な方法により、障害児について、その有する能力、その置かれている環境及び日常生活全般の状況等の評価を通じて通所給付決定保護者及び障害児の希望する生活並びに課題等の把握(以下この条において「アセスメント」という。)を行うとともに、・・・適切な支援内容の検討をしなければならない」と、同条第三項の規定において、「児童発達支援管理責任者は、アセスメントに当たっては、通所給付決定保護者及び障害児に面接しなければならない。この場合において、児童発達支援管理責任者は、面接の趣旨を通所給付決定保護者及び障害児に対して十分に説明し、理解を得なければならない」としているとおり、児童発達支援管理責任者(基準省令第五条第一項第二号に掲げる児童発達支援管理責任者をいう。以下同じ。)は、御指摘のように「児童の様子」を「直接」面接すること等を通じて確認を行った上で、児童発達支援計画を作成することとしており、「直接」面接することなく児童発達支援計画を作成することは想定していない。
二から四までについて
御指摘のような「指摘」や「板挟み」について具体的に把握していないが、いずれにせよ、児童発達支援管理責任者は、基準省令第五条第八項の規定において、「一人以上は、専任かつ常勤でなければならない」とし、「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(平成二十四年三月三十日付け障発〇三三〇第十二号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知。以下「通知」という。)において、「指定児童発達支援事業所の従業者は、原則として専従でなければならず、・・・児童発達支援管理責任者についても、通所支援計画の作成及び提供した指定通所支援の客観的な評価等の重要な役割を担う者であるので、これらの業務の客観性を担保する観点から、児童発達支援管理責任者と直接支援の提供を行う児童指導員等とは異なる者でなければならない」としているとおりであり、児童発達支援管理責任者に対し、「計画策定及びモニタリング業務」を行う及び「児童の発達状況や支援内容を確認した上で」児童発達支援計画「を見直す」に当たって、必ずしも「日常的に支援業務に従事」すること、「現場支援に参加」すること及び「管理業務と支援現場業務を両立」することは求めておらず、基準省令第二十七条第三項及び第九項第一号の規定に基づき、「通所給付決定保護者及び障害児に面接」するとともに、同条第五項(同条第十項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、「障害児に対する指定児童発達支援の提供に当たる担当者等を招集して行う会議・・・を開催し、児童発達支援計画の原案について意見を求める」こと等により、これらの業務が適切に行われているものと承知しており、お尋ねのような「手法」等を示すこと及び「両立」を前提として「児童指導員等の加配制度を拡充する」ことは考えていない。
五について
我が国の児童発達支援計画における御指摘の「策定・評価」の「仕組み」については、例えば、「策定」に当たっては、「児童発達支援ガイドライン」(令和六年七月四日付けこ支障第百六十八号こども家庭庁支援局長通知別紙一)において、「障害児相談支援事業所等が作成した障害児支援利用計画や、自らの事業所でアセスメントした情報について、課題整理表等を用いて整理しながら、児童発達支援におけるニーズを具体化した上で、児童発達支援の具体的な内容を検討し、児童発達支援計画を作成する」としているとおり、随時、得られる情報等を整理しながら、作成することとしており、また、「評価」に当たっては、同ガイドラインにおいて、「児童発達支援計画は、概ね六か月に一回以上モニタリングを行うことになっているが、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、六か月を待たずしてモニタリングを行う必要がある」と示しているとおり、必要に応じ、随時、「モニタリング」を行うこととしているところであり、お尋ねのような特定の「期間」に児童発達支援計画を「策定・評価」する「仕組み」については考えていない。
六について
前段のお尋ねについては、「令和六年度地域障害児支援体制充実のためのICT化推進事業実施要綱」(令和七年二月十三日付けこ支障第三十号こども家庭庁支援局長通知別紙)に定める「障害児支援分野のICT導入モデル事業」により、「都道府県等は、管内の障害児支援事業者等からの当該事業に係る事業計画書及び積算内訳書に基づき、ICT導入に要する費用を補助する」こととしているところ、「障害児支援事業者等」において、「情報端末(タブレット端末・スマートフォン等ハードウェア、インカム)」、「ソフトウェア」、「通信環境機器等(Wi−Fiルーターなど)」等の「ICT」を活用することにより、御指摘のような「現場観察・記録・計画策定・評価の一連の流れを一体的に管理」することも可能である。
また、後段のお尋ねについては、御指摘の「望ましい業務の在り方を優良事例として紹介」することの意味するところが必ずしも明らかではないが、児童発達支援管理責任者の「業務の在り方」については、二から四までについてで述べたとおりである。

