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答弁本文情報

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令和七年十二月十二日受領
答弁第一〇〇号

  内閣衆質二一九第一〇〇号
  令和七年十二月十二日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員八幡愛君提出旅費法改正の理念と実効性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員八幡愛君提出旅費法改正の理念と実効性に関する質問に対する答弁書


一について

 国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号。以下「旅費法」という。)については、国家公務員等の旅費制度について、国内外の経済社会情勢の変化に対応するとともに、事務負担軽減を図るため、旅費の計算等に係る規定の簡素化及び支給対象の見直しを行うほか、国費の適正な支出を図るための規定を整備する等の措置を講ずる必要があり、令和六年に改正を行ったものである。これを踏まえ、国家公務員等の旅費に関する法律施行令(令和六年政令第三百六号。以下「旅費政令」という。)第九条に規定する宿泊費(以下「宿泊費」という。)については、国家公務員等の旅費支給規程(昭和二十五年大蔵省令第四十五号。以下「旅費省令」という。)別表第二の宿泊費基準額(以下「宿泊費基準額」という。)を上限として現に支払った額を支給することとしており、当該宿泊費基準額については、実勢価格の調査の結果を踏まえて設定しているものである。
 お尋ねの「旅費法の改正理念が実務で実現されていないという指摘」の意味するところが必ずしも明らかではないが、旅費政令第九条ただし書並びに旅費省令第十三条第二項及び第三項において、内国又は外国の宿泊にあっては、「国際会議(内閣総理大臣、国務大臣、内閣官房副長官、副大臣、大臣政務官又は国会議員・・・が出席するものに限る。)において主催者から宿泊施設の指定があり当該宿泊施設以外に宿泊することが困難であるとき」等、旅行命令権者(旅費法第二条第四号に規定する旅行命令権者をいう。以下同じ。)が旅費省令第十三条第二項各号又は第三項各号のいずれかに該当すると認めるときは、宿泊費基準額を超える場合であっても現に支払った額を支給することができるとされている。また、当該規定に該当しない場合であっても、旅費法第八条第二項において「旅行者がこの法律又は旅費に関する他の法律の規定による旅費により旅行することが当該旅行における特別の事情により又は当該旅行の性質上困難である場合」には、旅費法第二条第一号に規定する各庁の長は、財務大臣に協議して定める旅費を支給することができるとされている。これらの規定に基づき、各府省等において適切に旅費の支給を行っていると承知しており、旅費法改正の趣旨は実現されているものと考えている。

二について

 お尋ねの「行政の非効率を制度的に助長」及び「「宿泊単価の抑制」に偏している現状」の意味するところが必ずしも明らかではないが、旅費法第六条において「旅費は、旅行に要する実費を弁償するためのものとして政令で定める種目及び内容に基づき、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合によつて計算する」とされており、宿泊施設の選定に当たっては、宿泊料のみならず、用務先までの所要時間等が適切に勘案されているものと考えている。また、一についてで述べたとおり、宿泊費については、宿泊費基準額を超える場合であっても現に支払った額を支給することができる場合等について規定されている。これらの規定に基づき、旅費法の目的である公務の円滑な運営に資するよう、各府省等において適切に旅費の支給を行っていると承知している。

三について

 前段のお尋ねについては、「海外出張における旅費上限額」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「旅費上限額」が宿泊費基準額を意味するのであれば、宿泊費が生じる外国旅行においては、原則として、本邦に帰国した後、国内において当該宿泊費を含む旅費の請求手続が行われることから、宿泊費基準額を円建てにより定めているものである。
 後段のお尋ねについては、旅費政令第九条ただし書及び旅費省令第十三条第三項において、外国の宿泊にあっては、「国際会議(これに準ずるものを含む。・・・)において外国政府、国際機関その他国際会議の主催者から宿泊施設の指定があり当該宿泊施設以外に宿泊することが困難であるとき」等、旅行命令権者が同項各号のいずれかに該当すると認めるときは、宿泊費基準額を超える場合であっても現に支払った額を支給することができるとされており、宿泊費基準額が円建てにより定められていることに特段の支障はないと考えている。したがって、「円建てを維持することが旅費法の理念である「公務の円滑な運営に資する」を損なう」との御指摘は当たらないものと考えている。

四について

 前段のお尋ねについては、旅費法第一条において「この法律は、公務のため旅行する国家公務員等に対し支給する旅費に関し諸般の基準を定め、公務の円滑な運営に資するとともに国費の適正な支出を図ることを目的とする」と規定されているものと承知している。
 後段のお尋ねについては、「現行の運用がその理念を実現していると考える根拠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、旅費法第六条において「旅費は、旅行に要する実費を弁償するためのものとして政令で定める種目及び内容に基づき、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合によつて計算する」とされており、旅行の経路及び方法の選定に当たっては、費用の額のみならず、用務先までの所要時間等を適切に勘案することが認められている。また、旅費のうち宿泊費については、一についてで述べたとおり、宿泊費基準額を超える場合であっても現に支払った額を支給することができる場合等について規定されている。これらの規定に基づき、各府省等において適切に旅費の支給を行っていると承知しており、旅費法の目的は実現されているものと考えている。

五について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、四についてで述べたとおり、旅費法の目的は実現されているものと考えている。政府としては、宿泊費基準額について、毎年度、実勢価格等を確認した上で、必要に応じて見直しを行うとともに、旅費法第八条第二項並びに旅費政令第九条ただし書並びに旅費省令第十三条第二項及び第三項の規定を適切に活用するなど、引き続き、公務の円滑な運営及び国費の適切な支出という旅費法の目的を実現できるよう、適切な運用に努めてまいりたい。

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