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答弁本文情報

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令和七年十二月十六日受領
答弁第一一〇号

  内閣衆質二一九第一一〇号
  令和七年十二月十六日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員山崎誠君提出「青森県との高レベル放射性廃棄物搬出期限の約束を守る件」及び「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山崎誠君提出「青森県との高レベル放射性廃棄物搬出期限の約束を守る件」及び「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に関する質問に対する答弁書


一及び二について

 御指摘の「第一義的責任が政府にある」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、仮にガラス固化体(使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号)第八条第一項の表第二号イに規定するガラス固化体をいう。以下同じ。)を含む特定放射性廃棄物の最終処分及び日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)が運営する六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(以下「貯蔵管理センター」という。)に貯蔵されているガラス固化体の搬出に関する「第一義的責任」についてのお尋ねであれば、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(平成六年六月二十四日原子力委員会決定)において「高レベル放射性廃棄物の処分方策を進めていくに当たっては、国は、処分が適切かつ確実に行われることに対して責任を負う」としたこと等を踏まえ、特定放射性廃棄物の最終処分については、先の答弁書(令和七年八月十五日内閣衆質二一八第一一号)四についてで述べたとおり、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号。以下「最終処分法」という。)第三十四条等に基づき、原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)が最終処分の実施主体とされており、政府は機構を監督の上、特定放射性廃棄物の最終処分の実現に向け取り組むこととしている。
 また、貯蔵管理センターに貯蔵されているガラス固化体については、先の答弁書(令和七年八月十五日内閣衆質二一八第一〇号。以下「第一〇号答弁書」という。)一及び二についてで述べたとおり、青森県及び六ヶ所村と日本原燃が締結した「六ケ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター周辺地域の安全確保及び環境保全に関する協定書」(以下「協定書」という。)において、「「ガラス固化体の一時貯蔵管理」・・・の期間・・・は、それぞれのガラス固化体について、貯蔵管理センターに受け入れた日から三十年間から五十年間とし」、日本原燃は、「管理期間終了時点で、それぞれのガラス固化体を電力会社に搬出させるものとする。」と定められていることから、ガラス固化体の発生者としての基本的な責任を有する、実用発電用原子炉を有する十社の電気事業者(以下「電気事業者」という。)が搬出の責任を負うものと認識しており、政府としては、日本原燃及び電気事業者に対し、協定書の内容を遵守するよう指導していく考えである。

三の1について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、地層処分に関するお尋ねの「技術的信頼性の再評価」を含めた、特定放射性廃棄物の最終処分に関する「政策の見直しの具体的内容」については、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「東北地方太平洋沖地震」という。)及びこれに伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故の発生を受け、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会地層処分技術ワーキンググループにおいて、我が国の地質環境特性及び地質環境の長期安定性について審議を行い、最新の科学的知見に基づき、我が国において地層処分が技術的に実現可能であることを確認したことや、最終処分法第二条第十二項に規定する最終処分施設建設地(以下「最終処分施設建設地」という。)の選定を前進させるため「科学的特性マップ」(平成二十九年七月二十八日経済産業省資源エネルギー庁作成)を公表したことなどを指すものである。

三の2について

 平成二十年三月十四日に閣議決定した「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画」(以下「最終処分計画」という。)について、政府としては、最終処分法第四条第二項各号に掲げる事項について、原子力政策を取り巻く様々な状況を総合的に勘案し、御指摘の「基本方針」に即して、適切な時期に改定することを検討しているところ、お尋ねの「どのような環境、条件が整った場合に、最終処分計画を策定するのか」について、一概にお答えすることは困難である。

三の3について

 お尋ねの「政府が目指している最終処分開始時期」については、最終処分計画において「平成四十年代後半を目途に最終処分を開始するものとする。」と示しているとおりである。

三の4及び5について

 最終処分施設建設地の選定に向けた調査及び最終処分法第二条第十四項に規定する最終処分施設の建設に必要な期間として政府がお示ししている御指摘の「三十年程度」は、最終処分の実施主体である機構が、総合エネルギー調査会原子力部会(当時)が平成十一年三月二十三日に取りまとめた「総合エネルギー調査会原子力部会中間報告−高レベル放射性廃棄物処分事業の制度化のあり方−」における「処分スケジュール」に基づき、諸外国の状況なども参考にしつつ、あくまで目安として示している期間を根拠としており、見直しが必要な性格のものではない。なお、実際に必要となる期間については、技術の進展や、個々の調査地点における安全審査、地域の合意形成の在り方などの状況に応じて変わり得るものであると認識している。

三の6について

 お尋ねについては、第一〇号答弁書三の3の後段及び八の3についてで述べたとおりである。

四について

 御指摘の「福島県の除染土」の「搬出期限等」について、政府としては、東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故により、当該原子力発電所から放出された放射性物質による環境の汚染が最も深刻な福島県においては、住民が既に過重な負担を負っていること等を踏まえ、総合的に判断した結果、日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第百二十号)を提出し、国会で可決されたものと承知している。一方、お尋ねの「関係法令」の意味するところが必ずしも明らかではないが、貯蔵管理センターに貯蔵されているガラス固化体の搬出については、ガラス固化体の発生者としての基本的な責任を有する電気事業者が行うものであると認識しており、政府としてガラス固化体について、御指摘の「搬出期限等」を定める法律案を国会に提出することは考えていない。

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