答弁本文情報
令和七年十二月十六日受領答弁第一一五号
内閣衆質二一九第一一五号
令和七年十二月十六日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員長妻昭君提出中国等の富裕層患者誘致による大学病院経営改善策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出中国等の富裕層患者誘致による大学病院経営改善策に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「それは本来あるべき姿ではない」との答弁は、大学の附属病院の果たすべき主な役割は医師等の養成を行うこと、高度の医療技術の研究及び開発を行うこと並びに患者に高度の医療を提供することであるところ、病院の経営の改善を目的としてやむを得ず過度に診療を行うことにより、それらの役割を十分に果たし得ないことは、大学の附属病院のあるべき姿ではない旨を述べたものであり、政府においては、大学の附属病院の教育及び研究に係る機能の強化に向けて、例えば、令和七年度補正予算案において、教育及び研究に要する人件費等に係る支援に必要な経費を計上しているところである。また、お尋ねの「八つの病院の回答内容」の「詳細」については、御指摘の答弁における「調査」に対して「外国人(海外からの来日者)患者」の「受け入れを推進するための特別な対応」を行っている旨回答した六病院が当該対応を行った理由として、「厳しい病院経営を踏まえて、自己収入を増加させるため」、「医療ツーリズムの受け入れを増やし、病院の収入を増加させるため」、「医療ツーリズムの市場拡大への対応に向け、外国人患者の受け入れ体制を強化するため」、「外国人からの問い合わせ、外国人の旅行者の受診が増加しているため」、「日本の先端医療を求めて来日する外国人患者が増加している現状に対応するため」、「国際的な医療ニーズに応えることで、病院の信頼性と評価を高めるため」及び「政府が掲げる「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」に基づく取り組み」との回答があったところである。さらに、お尋ねの「他の大学病院の実態」について、現時点において調査を行う予定はない。
二について
大学の附属病院におけるお尋ねの「先端医療を国内患者には使わず、海外富裕層患者に使う、という実態」について、各大学の附属病院における診療行為の内容は、個々の患者の症状等に応じて各大学の附属病院において医学的な観点から判断されるべきものであり、その判断の過程等について、政府として把握しておらず、また、調査を行う予定はない。また、「そのような実態があるとすれば問題であると考えるか。また、どのように解決すべきと考えるか」については、各病院における治療法の選定の背景には様々な事情があると考えられ、また、政府として当該事情を把握していないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、政府としては、大学の附属病院において、一についてで述べた役割を十分に果たすとともに、患者に適切な医療が提供されることが重要であると考えている。

