答弁本文情報
令和七年十二月二十三日受領答弁第一四五号
内閣衆質二一九第一四五号
令和七年十二月二十三日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員屋良朝博君提出最低賃金額の大幅な引上げと地域間格差是正及び中小企業支援強化に向けた取組に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員屋良朝博君提出最低賃金額の大幅な引上げと地域間格差是正及び中小企業支援強化に向けた取組に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第一条の規定においては、「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、・・・労働者の生活の安定・・・に資する・・・ことを目的」としているところ、御指摘の沖縄県の最低賃金も含め、御指摘の「地域別最低賃金」は、同法第九条第二項の規定に基づき、「地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して」定められており、これは、「労働者の生活の安定」「に資する」ものと考えている。
二について
「「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和七年十一月二十一日閣議決定。以下「令和七年度総合経済対策」という。)においては、「賃上げが物価上昇を上回る状況を実現し、家計の実質所得を確保することが喫緊の課題である。そのため、企業が継続的かつ安定的に賃上げできる環境を整えることこそが、政府の役割との考えの下、税制・補助金などを総合的に活用し、人への投資を促しながら、賃上げの流れを全国に広げていく」としており、御指摘の「実質賃金の上昇」については、これに基づき各種施策に取り組むこととしているところ、御指摘の「まず・・・効果的」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、「大幅な」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、御指摘の「最低賃金」の「引上げ」については、賃上げにつながるものであることから、「実質賃金の上昇」に一定の効果があるものと認識している。
三について
お尋ねの「最低賃金」についての「目標に向かった努力は継続されるのか」については、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二五」(令和七年六月十三日閣議決定)において、「適切な価格転嫁と生産性向上支援により、影響を受ける中小企業・小規模事業者の賃上げを後押しし、二千二十年代に全国平均千五百円という高い目標の達成に向け、たゆまぬ努力を継続する」としているとおりであり、また、お尋ねの「最低賃金の引上げ」の「加速化」に関しては、令和七年十一月六日の参議院本会議において、高市内閣総理大臣が「最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応について、経済動向等を踏まえて今後具体的に検討をしてまいります」と答弁しているとおりである。
四について
お尋ねのように「地域別最低賃金」の「格差を是正する必要」については認識しているところであり、令和七年度総合経済対策において、「今後とも、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げるなど、地域間格差の是正を図る」としているところである。
五の1について
お尋ねについては、例えば、令和七年七月十一日に開催された第一回令和七年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会の参考資料No.一「最低賃金に関する調査研究」の「JILPT「最低賃金の引上げと企業行動に関する調査」(二千二十四年)の概要(速報)」において示しているとおり、「二千二十四年度地域別最低賃金の改定について、二千二十四年十月から現在(二千二十五年一〜二月)までの影響について」、「従業員規模一人以上三百人未満の全国の企業」を対象に実施した調査に対する回答として、「最低賃金の大幅引上げが社会的に注目されて、価格転嫁がやりやすくなった」が約十一パーセント、「事業所の経営が苦しくなった」が約二十三パーセント、このような「影響は受けていない」が約四十八パーセント等となっているとおりである。
五の2について
御指摘の「専門家派遣・相談等支援事業」は、厚生労働省において実施している「令和七年度中小企業・小規模事業者等に対する働き方改革推進支援事業(センター事業)委託要綱」に基づく「中小企業・小規模事業者等に対する働き方改革推進支援事業(センター事業)」と理解した上で、当該事業のお尋ねの「実施状況」については、令和六年度において、全国における「電話・メール・来所相談による個別相談支援」、「企業へのコンサルティング」及び「事業主向けセミナー」の実施件数又は実施回数は、それぞれ、三万六千九百八十三件、三万二千九百二十八件及び二千五百四十五回であり、お尋ねの「効果」については、同要綱に定める「生産性向上による賃金引上げ」が一定程度達成されているものと「評価」している。
また、業務改善助成金(「中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)交付要綱」(平成二十三年四月一日付け厚生労働省発基〇四〇一第三十九号厚生労働事務次官通知別紙)の中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金をいう。)についてのお尋ねの「実施状況」については、令和六年度の申請件数及び支給件数は、二万千七百八十三件及び一万七千六百十六件であり、お尋ねの「効果」については、同要綱に定める「生産性向上、労働能率の増進に資する設備投資等とともに、賃金の引上げを行う中小企業事業者に対し、その設備投資等に要した費用の一部を助成することにより、最低賃金(最低賃金法・・・第四条の最低賃金をいう。・・・)の引上げに向けた環境整備を図ること」が一定程度達成されているものと「評価」している。
さらに、御指摘の働き方改革推進支援助成金(「働き方改革推進支援助成金交付要綱(業種別課題対応コース)」、「働き方改革推進支援助成金交付要綱(労働時間短縮・年休促進支援コース)」、「働き方改革推進支援助成金交付要綱(勤務間インターバル導入コース)」及び「働き方改革推進支援助成金交付要綱(団体推進コース)」(令和六年四月一日付け厚生労働省発基〇四〇一第十三号厚生労働事務次官通知別紙)の働き方改革推進支援助成金をいう。)についてのお尋ねの「実施状況」については、令和六年度の申請件数及び支給件数は、五千四百二十五件及び四千二百八十三件であり、お尋ねの「効果」については、これらの要綱に定める「中小企業における労働時間等の設定の改善」が一定程度達成されているものと「評価」している。
五の3について
お尋ねのうち「社会保険料の減免」については、「社会保険料」は、労働者が安心して就労できる基盤を整備することが事業主の責任であるとともに、事業主の利益にも資するという観点から事業主に求められているものであり、その「減免」には慎重な検討が必要であると考えている。
また、御指摘の「減税、補助金など、より即応性・実効性の高い支援策」に関しては、令和七年度総合経済対策において、「適切な価格転嫁と生産性向上支援等によって、最低賃金の引上げを可能とする環境整備を進めていく。「重点支援地方交付金」を拡充し、中央最低賃金審議会の目安を超える最低賃金の引上げが行われた場合の生産性向上等を図るための特別な対応を含め、地方公共団体による、賃上げを行う中小企業・小規模事業者に対する地域の実情に合った支援を後押しする。中小企業・小規模事業者の業務改善・設備投資に対する支援を強化するとともに、企業の継続的な賃上げを後押しする賃上げ促進税制の活用を通じて、賃上げモメンタムの維持、向上を図る。「重点支援地方交付金」を拡充し、賃上げ促進税制を活用できない中小企業・小規模事業者、さらには農林水産業などを支援する推奨事業メニューを設け、地域の実情に合った的確な支援を行う」としており、これに基づき取り組むこととしている。
さらに、お尋ねの「取引適正化支援など、長期的・継続的な支援策」に関しては、令和七年度総合経済対策において、「二千二十六年一月施行の中小受託取引適正化法・受託中小企業振興法の周知広報を徹底するとともに、同法を厳正に執行する」としており、これに基づき取り組むこととしている。

