答弁本文情報
令和七年十二月二十三日受領答弁第一四八号
内閣衆質二一九第一四八号
令和七年十二月二十三日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員上村英明君提出「不法滞在者」という呼称の使用等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員上村英明君提出「不法滞在者」という呼称の使用等に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
御指摘の「国連総会決議」における「要請」は、法的拘束力を有するものではないところ、「不法滞在者」という用語は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)等の法令において用いられていることを踏まえ、例えば、「ゼロプラン」において、我が国に、法令に違反して滞在している外国人を「不法滞在者」と「呼称」している。
その上で、「ゼロプラン」においては、「「不法滞在者ゼロを目指」すとし、「在留管理・難民審査」や「出国・送還」等の強化を図るとしている」が、これは、入管法の厳格な運用を図るものであって、そのことは「「書類のないもしくは非正規状態を含む全ての移住労働者の人権を尊重するという国家の義務」を果たさない」ことを意味するものではなく、「差別や偏見を助長」するものでもないことから、「一九七五年の国連総会決議を無視」するものではないと考えており、また、「「不法滞在者」という呼び方を直ちに「非正規滞在者」に変更する必要がある」とは考えていない。
四及び五について
一般に、条約と法律との関係については、条約が法律に優位すると解されるところ、御指摘の「解釈宣言」は、児童の権利に関する条約(平成六年条約第二号。以下「児童の権利条約」という。)第四十三条1の規定に基づき設置された児童の権利に関する委員会に政府が提出した第三回政府報告において示しているとおり、児童の権利条約第九条1に関し、「当該規定は、締約国に対し、父母による児童の虐待又は父母の別居等の特定の場合において、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として児童の最善の利益のために必要であると決定する場合を除き、児童がその父母の意思に反して父母から分離されないことを確保するよう義務づけるものであり、児童又は父母の退去強制、抑留及び拘禁等この条約第九条4において国がとり得る措置として認められている措置により、結果的に親子の分離が生ずることを妨げるものではないと解される」(仮訳)が、この「解釈が文言上必ずしも一義的に明確ではない」(仮訳)ことから「行っている」(仮訳)ものであり、御指摘のように「国内法である出入国管理及び難民認定法(入管法)が国際条約上の義務に優先するという立場を示唆」したり、「最高法規である日本国憲法に反してまで、入管法が国際法に優先するという見解を示」したりするものではない。
六について
我が国は、難民の地位に関する条約(昭和五十六年条約第二十一号)、市民的及び政治的権利に関する国際規約(昭和五十四年条約第七号)及び児童の権利条約の締約国として、これらの国際約束については、憲法第九十八条第二項の規定にのっとり、誠実に遵守していると考えており、このことは、お尋ねの「現在の入管行政」についても同様であって、「国際法から逸脱している」とは「認識」していない。

