答弁本文情報
令和七年十二月二十三日受領答弁第一六五号
内閣衆質二一九第一六五号
令和七年十二月二十三日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員松原仁君提出成年後見制度における後見人の報酬決定の透明性の確保と財産権の保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出成年後見制度における後見人の報酬決定の透明性の確保と財産権の保護に関する質問に対する答弁書
一の1の@について
お尋ねの「全国の裁判所において、財産額が報酬額に実質的に影響している運用実態」の具体的に意味するところが明らかではないが、成年後見人が管理する財産の額と成年後見人の報酬額の関係については、政府としては、把握していないものの、最高裁判所が令和四年度に実施した、報酬の付与の審判がされた事件の一部を対象とした成年後見人等の報酬の額等に関する調査によれば、成年後見人等が管理する流動資産の額が大きい事件における成年後見人等の報酬の平均額について、成年後見人等が管理する流動資産の額が小さい事件のそれに比して大きい数値が示されたものと承知している。
一の1のAについて
お尋ねの統計については把握しておらず、また、お尋ねの分析は行っていない。
一の1のBについて
お尋ねの「「報酬額のめやす」が事実上の拘束力を持っている」の具体的に意味するところが明らかではないが、成年後見人の報酬については、個々の事案に応じて、家庭裁判所において適切に判断されるべき事柄であると考えている。
一の2について
御指摘の「財産多寡が業務量増加に比例するという一般化」の具体的に意味するところが明らかではないが、成年後見人の報酬に関する規律の在り方を含む成年後見制度の見直しについては、令和六年二月十五日に法務大臣の諮問機関である法制審議会に諮問され、法制審議会民法(成年後見等関係)部会において、調査審議が行われており、政府としては、まずは、その議論の状況を見守っていきたいと考えている。
一の3の@について
お尋ねの統計については、把握していない。
一の3のAについて
お尋ねの「刑事」「上の措置」の具体的に意味するところが明らかではないが、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個々に判断されるべき事柄であることから、お答えすることは困難である。また、お尋ねの「民事上の措置」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。
一の4の@について
御指摘の「本人死亡後の報酬請求ルールの明確化」の具体的に意味するところが明らかではないが、成年後見人の報酬に関する規律の在り方を含む成年後見制度の見直しについては、法制審議会において、調査審議が行われており、政府としては、まずは、その議論の状況を見守っていきたいと考えている。
一の4のAについて
お尋ねの「相続人通知制度」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。
一の4のBについて
お尋ねの「後見人による勝手な引き出しへの罰則強化」の具体的に意味するところが明らかではないが、業務上横領等の刑事罰に加えて、成年後見人が成年被後見人の財産を管理する行為に関し、新たに罰則を設けることは考えていない。
二の1について
お尋ねの「親族後見人への報酬基準」の具体的に意味するところが明らかではないが、成年後見人の報酬については、個々の事案に応じて、家庭裁判所が定めることとされており、法令上、親族後見人に係る報酬基準は存在しない。
二の2について
御指摘の「自治体によっては親族後見人への助成が存在しないため、地域格差が大きく」の具体的に意味するところが明らかではないが、二の1についてで述べたとおり、法令上親族後見人に係る報酬基準は存在せず、報酬の額については、個々の事案に応じて、家庭裁判所が定めることとされていることから、政府としては、現時点で、御指摘の「全国統一的な助成制度及び親族後見人の評価基準」を「整備」することは考えていないが、例えば、「地域支援事業実施要綱」(平成十八年六月九日付け老発第〇六〇九〇〇一号厚生労働省老健局長通知別紙(最終改正 令和七年七月十七日))に基づき地域支援事業として市町村が行う成年後見制度利用支援事業においては、「市町村申立て等に係る低所得の高齢者に係る成年後見制度の申立てに要する経費や成年後見人等の報酬の助成等」を行っているところ、「市町村長による成年後見制度に基づく後見開始の審判等の請求の適切な実施及び成年後見制度利用支援事業の推進について」(令和五年五月三十日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活・発達障害者支援室及び精神・障害保健課並びに老健局認知症施策・地域介護推進課連名事務連絡)において、市町村に対して、「全国どの地域においても成年後見制度を必要とする人が制度を利用」できるように、「成年後見制度利用支援事業の適切な実施」について検討を行うよう依頼しているところである。
二の3について
御指摘の「生活保護受給者を対象とする助成制度」及び「自治体が専門職後見人のみ助成する例」の具体的に意味するところが明らかではないが、成年後見人に対する助成については、二の2についてで述べたとおり、例えば、「地域支援事業実施要綱」に基づき市町村が行う成年後見制度利用支援事業において、「市町村申立て等に係る低所得の高齢者に係る成年後見制度の申立てに要する経費や成年後見人等の報酬の助成等」を行っているところ、当該要綱においては、助成の対象について、成年後見人の保有する御指摘の「資格の有無」で「区別」しているものではない。
三の1について
政府において、成年後見人の報酬について、成年被後見人及びその親族を調査対象者とする調査を実施したことはない。
三の2について
お尋ねの「被後見人や家族を対象とした」報酬の実績の詳細に関する調査等については、最高裁判所において、利用者の予測可能性を確保する観点から、成年後見人等の報酬の実績について公表することを予定していると承知していることから、政府としては、現時点では実施する予定はないが、二の2についてで述べたとおり、例えば、「地域支援事業実施要綱」に基づき市町村が行う成年後見制度利用支援事業において、「市町村申立て等に係る低所得の高齢者に係る成年後見制度の申立てに要する経費や成年後見人等の報酬の助成等」を行っているところ、当該助成等の実施の状況について必要な実態を把握する観点から、成年後見制度利用促進施策に係る取組状況調査において、高齢者や障害者に対する報酬助成について、助成実施の有無や年度別支給件数といった項目の調査を実施している。

