答弁本文情報
令和八年五月二十二日受領答弁第一三号
内閣衆質二二一第一三号
令和八年五月二十二日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 森 英介 殿
衆議院議員辰巳孝太郎君提出在日米軍基地から排出されたPCB含有機器の処理と「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」改正案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辰巳孝太郎君提出在日米軍基地から排出されたPCB含有機器の処理と「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」改正案に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「高濃度PCB含有電気機器等廃棄物の処理が想定されている二十六箇所の民間処理施設」の意味するところが必ずしも明らかではないが、今後高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理を行う者として、主に、現在低濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理を行いポリ塩化ビフェニル廃棄物の取扱いに関する専門的知見及び施設を有する廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第十四条の四第六項の許可を受けた者(以下「特別管理産業廃棄物処分業者」という。)又は廃棄物処理法第十五条の四の四第一項の認定を受けた者(以下「無害化処理認定業者」という。)から、高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係る同項の認定の申請が行われる可能性はあると考えているが、当該申請が行われるか及び当該申請に対して認定を行うかどうかについては予断をもってお答えすることができない中で、お尋ねの「高濃度PCB含有電気機器等廃棄物の処理が想定されている」「民間処理施設」についてお答えすることは困難である。
二について
お尋ねの「PCB」「が残置されている不動産」の意味するところが必ずしも明らかではないが、今国会に提出したポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)第一条の規定による改正後のポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成十三年法律第六十五号。以下「改正後PCB特別措置法」という。)第十三条若しくは第二十条又は第二十三条の規定において、低濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物又は高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の譲渡し及び譲受けの制限を規定することとしている。また、改正後PCB特別措置法には低濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品の「売買・譲渡」の規制に関する規定は設けていないが、低濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品を所有する事業者は改正後PCB特別措置法第八条に基づく所有等の届出、改正後PCB特別措置法第九条に基づく管理並びに改正後PCB特別措置法第十二条に基づく低濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管に係る届出及び処分を行う義務を負うこととなる。
三について
お尋ねの「PCB処理を担う民間の処理施設」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論としては、特別管理産業廃棄物処分業者又は無害化処理認定業者がお尋ねの「不適切な処理や、漏出などの事故を生じさせた場合」には、都道府県知事は当該特別管理産業廃棄物処分業者に対して廃棄物処理法第十九条の三第二号に基づく改善命令又は廃棄物処理法第十九条の五に基づく措置命令を、環境大臣は当該無害化処理認定業者に対して廃棄物処理法第十九条の三第三号に基づく改善命令又は廃棄物処理法第十九条の五に基づく措置命令を行うことができるほか、特別管理産業廃棄物処分業者又は無害化処理認定業者等は民法(明治二十九年法律第八十九号)等の規定に従い損害を賠償する責任を負う場合がある。
四について
御指摘の「在日米軍施設・区域からのPCB廃棄物」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、防衛省が把握している限りでは、平成十五年度から令和六年度までにおいて、在日米軍から施設及び区域が返還された場合の原状回復措置並びに提供施設整備及び米軍再編に係る事業において発生したポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法第二条第一項に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物(以下「PCB廃棄物」という。)を処理した量は約五百五十二トンであり、その処理に要した費用は約七億円である。
なお、平成十四年度における当該PCB廃棄物を処理した量及びその処理に要した費用については、関係する文書の保存期間が満了し保存されていないため、お答えすることは困難である。
五について
令和六年度末時点において、防衛省が保管している、在日米軍から施設及び区域が返還された場合の原状回復措置並びに提供施設整備及び米軍再編に係る事業において発生したPCB廃棄物の量は約四トンである。
また、お尋ねの「PCB含有機器」の量については、防衛省として把握しておらず、お答えすることは困難である。
六について
お尋ねの「高濃度と低濃度のそれぞれのPCBの量」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「在日米軍施設・区域にあるPCB含有機器」及び「PCB含有廃棄物」の「量」については、政府として現時点において把握していない。
七から十までについて
一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは、在日米軍についても同様である。したがって、在日米軍には、改正法案が成立し、改正後PCB特別措置法が施行された場合であっても、改正後PCB特別措置法は適用されない。また、御指摘の「合意」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日本政府としては、外務省、環境省、防衛省等関係省庁で連携しつつ、環境対策が実効的なものとなるよう、米国政府との間で、「在日米軍施設・区域で使用・保管されている高濃度・低濃度PCB含有機器等及び廃棄物」の処理について協議しているところ、その具体的内容に係る事項については、これを公にすると同国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から、答弁を差し控えたい。

