衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和八年十月二十三日受領
答弁第一〇号

  内閣衆質二二二第一〇号
  令和八年十月二十三日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 森 英介 殿

衆議院議員向山好一君提出HPVワクチンの男性接種の定期接種化に係る費用対効果評価に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員向山好一君提出HPVワクチンの男性接種の定期接種化に係る費用対効果評価に関する質問に対する答弁書


一及び五について

 令和八年七月二十二日の第三十五回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会(以下「第三十五回小委員会」という。)において示された御指摘の「九価HPVワクチンの男性接種に係る費用対効果分析の結果」について、お尋ねの「間接効果」を「考慮したシナリオが含まれていなかった理由」については、第三十五回小委員会の資料三−一「HPVワクチンの男性への接種について」において、「HPVワクチンの男性接種による女性の子宮頸がんに対する予防効果の評価については、第三十一回ワクチン小委(令和七年九月開催)において収集することとされた、ダイナミックモデルを構築するために必要な信頼性の高い国内データについて、現在情報収集中であることから、今回の費用対効果分析では、男性本人に対する効果のみ考慮し、公的医療の立場からの解析を実施した」と示しているとおりである。
 また、御指摘の「HPVワクチンの男性への接種の評価に当たっては、女性への波及効果等を含めて総合的に評価を行っていく」方針及び「より精緻な「ダイナミックモデル」を構築するための情報収集を行う方針」の下、現在、当該情報収集を行っている中で、男性本人に対する効果のみを考慮して行われたものであり、御指摘の「女性への波及効果等を含めて総合的に評価を行っていくこと」及び「男性接種による間接効果を勘案した議論を行う重要性」を否定するものではなく、御指摘のように「これまでの議論の経緯や方針と整合しない分析結果が示された」とは考えていない。

二について

 お尋ねの「同様の条件の下で分析可能」か否かについては、御指摘の「同様の条件」を、「第二十四回小委員会における四価HPVワクチンの分析と同様のマルコフモデル」を使用して、「四価HPVワクチンの分析」を行った者と同程度の専門的知識及び技術を有する者が分析を行う場合と解し、かつ、「九価HPVワクチン」の「間接効果」を考慮した分析に当たって必要な情報が入手できると仮定すれば、分析を行うこと自体は一般的に可能であると考えられるが、一及び五についてで述べたとおり、「間接効果」の評価に向けて、「ダイナミックモデル」を構築するための情報収集を行うこととされたところであり、御指摘の「間接効果を考慮したシナリオ」について、「同様の条件の下で」「マルコフモデル」を用いて分析を行うことは考えていない。

三及び四について

 お尋ねの「四価HPVワクチンの場合と同様にマルコフモデルを用いて間接効果を考慮したシナリオの分析」については、厚生労働省において「自ら実施」しておらず、また、「厚生労働科学研究の研究班等が実施した当該分析の結果の報告」を受けておらず、御指摘の「分析の結果」を把握していない。また、お尋ねの「四価HPVワクチンにおいては実施された間接効果を考慮した分析が、九価HPVワクチンにおいては実施されていない合理的な理由」については、一及び五についてで述べたとおりである。

六について

 お尋ねの「有効性持続期間」については、第三十五回小委員会の資料三−二「HPVワクチンの男性接種に関する費用対効果分析について」において示された分析では、「基本分析」において二十年とした上で、「感度分析」として三十年及び五十年とした場合の結果も示しているところ、第三十五回小委員会において、令和八年度厚生労働科学研究費補助金による新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「ワクチンの費用対効果の評価法及び分析手法の確立のための研究」(以下「研究事業」という。)の研究代表者である委員から「今後、何年を基本分析とするかということについては、また、先生方の御意見や様々な先行研究あるいはエビデンス等を踏まえながら設定していければと思っております」との発言があったとおり、今後の分析における御指摘の「有効性持続期間」の設定については、研究事業において、委員の意見や先行研究等を踏まえて行われるものであることから、お尋ねの「有効性持続期間について五十年以上を基本分析として設定すること」が「合理的」であるか否かについて、現時点で、政府として一概にお答えすることは困難である。また、研究事業において、御指摘の「国際的な科学的エビデンス」を含め、先行研究等を踏まえて「条件設定」が行われるものであることから、政府として、御指摘のように「促す」ことは考えていないが、研究事業の結果については、厚生科学審議会に示した上で、必要な議論を行ってまいりたい。

七について

 前段のお尋ねについては、予防接種に関する基本的な計画(平成二十六年厚生労働省告示第百二十一号)第一の二において、「国は、予防接種施策の推進の科学的根拠として、ワクチンの有効性、安全性及び費用対効果に関するデータ並びに学術論文等について可能な限り・・・収集を行い、客観的で信頼性の高い最新の科学的知見に基づき、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会・・・で審議を行い、意見を聴いた上で、・・・予防接種施策に関する評価及び検討を行う」こととされているところ、お尋ねの「予防接種の定期接種化の可否決定」についても、同計画に基づき評価及び検討を行うものであり、御指摘のように「費用対効果の評価結果」のみをもって「判断」するものではなく、「他の多角的な要素を勘案して総合的に判断」するものである。
 後段のお尋ねについては、先の答弁書(令和八年七月十四日内閣衆質二二一第二九号。以下「前回答弁書」という。)七についてで述べたとおり、「HPVワクチンの男性接種」の「定期接種化」に向けた厚生科学審議会での検討においては、御指摘のように「費用対効果以外の多角的な観点を含めて総合的な評価を行う」こととしている。

八について

 第三十五回小委員会において、研究事業の研究代表者である委員から「日本における性的接触のパターンを調査している研究グループがございまして、そちらにデータがまとまり次第、データを御提供いただけるようお願いしているところでございます」との発言があったことは承知しているが、当該「お願い」は、当該研究代表者が研究事業の実施に当たり個別に行っているものであり、厚生労働省としては、お尋ねの「当該研究グループの名称、研究課題名、調査内容、調査実施時期、及びデータ集計完了・提供の見込み時期」については「具体的に」把握していない。

九について

 前段のお尋ねについては、第三十五回小委員会において示された分析においても、御指摘のような「諸外国の信頼性の高い既存データや知見」等を用いているところであり、また、第三十五回小委員会において、研究事業の研究代表者である委員から「今年度中をめどに、この日本のデータを用いたダイナミックモデルを構築」する見込みである旨の発言があったところ、御指摘のように「費用対効果分析の精緻化にいたずらに時間をかけ」、「国内独自のデータの新規蓄積や分析モデルの極端な精緻化に固執」しているとの認識はないが、いずれにせよ、「議論を早期に進めるべき」とのお尋ねについては、令和八年六月九日の参議院厚生労働委員会において、上野厚生労働大臣が「諸外国の状況なども注視をしながら、やはり、その科学的知見に基づいてどうかということが大事でありますので、そうした観点で審議会の議論が進むということを期待しておりますし、我々としてもしっかりそれを後押しをしていきたいと考えています」と答弁しているとおりである。
 後段のお尋ねについては、御指摘の「中咽頭がん等のHPV関連疾患」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、例えば、「中咽頭がん」については、前回答弁書八についてで述べたとおり、「中咽頭がん」に係る「HPVワクチン」の有効性は当該ワクチンの承認に際して審査されておらず、御指摘の「定期接種化」により「中咽頭がん」が予防されるか否かは明らかではないことから、御指摘のように「日本独自のデータの収集や分析の精緻化を待つことで定期接種化の意思決定が長期化し、その間に本来であればワクチン接種によって予防可能であったはずの中咽頭がん等のHPV関連疾患が男性において発生し続ける」とは一概に言えないと考えており、これを前提とした御指摘の「健康上の不利益」及び「行政の不作為の責任」に関するお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、第三十五回小委員会における議論を受けて、今後、御指摘の「HPVワクチンの男性接種の定期接種化に係る費用対効果評価」に係る必要な情報が得られた場合には、厚生科学審議会において必要な議論を行い、当該議論を踏まえながら、適切に検討をしてまいりたい。

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.