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昭和四十四年四月二十一日提出
質問第五号

 日本海上空における米軍偵察機撃墜事件と日米安保条約に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十四年四月二十一日

提出者  伊藤惣助丸

          衆議院議長 石井光次郎 殿




日本海上空における米軍偵察機撃墜事件と日米安保条約に関する質問主意書


 去る四月十五日の北朝鮮清津沖で起こつた米軍偵察機EC121撃墜事件は、日本ならびにアジアの平和と安全にとつてきわめて憂慮される問題である。
 とくにわが国は、日米安保体制下にあり、問題となつた米軍偵察機がわが国領域内の米軍基地から発進しており、かつ沖繩返還問題に直面している現在、今時の事件の影響するところ重大なるものがあると考える。
 わたくしは、本院の審議にもかかわらず今回の事件がなお十分に解明されていない点があるので、次の諸点につき政府の見解をただしたい。

一 撃墜されたEC121米軍偵察機は、厚木基地から発進したものであり、この種の偵察飛行はこれまできわめてしばしば行なわれていることも明らかにされている。
  これは、公明党がこれまで、日米安保体制は「日本が関係のない国際紛争にまき込まれる」と繰り返し指摘してきた点を裏書きするものである。
  政府は、在日米軍基地の果たしている役割および在日米軍の行動について正確に知らされているのか。また、日米安保条約第四条に基づき、これらの役割と行動とは随時協議されているのか。
一 愛知外務大臣は、米軍の偵察行動と日米安保条約第六条の交換公文による事前協議の関係について、衆議院外務委員会において「通常認められる哨戒偵察行為なら問題はない」と答弁している。
  しかし、朝鮮民主主義人民共和国による撃墜事件が発生している現状にかんがみ、重大な国際問題を引き起こすがごとき軍事行動も事前協議の対象とならないとする根拠を明確にされたい。
一 仮りにこの種の米軍の軍事行動が事前協議の対象とならないとする日米間の了解がすでにあつたとすれば、まさにそれゆえにわが国の意思に反する米軍の行動が、わが国の近隣諸国を軍事的に刺激しており、国民は日米安保体制がわが国を戦争の危険にまき込む恐れがあることを深く憂慮している。
  政府は、わが国が戦争にまき込まれないための歯どめとして何を考えているのか、明確にされたい。
一 米大統領は、今後、護衛機をつけて偵察を続行すると言明している。
  このような威力偵察の継続は極東における緊張を激化するものであつて、緊張を緩和するものとは決していえない。
  政府は、今後の護衛戦闘機つき偵察飛行を直ちに中止すべきことを米側に申し入れるべきであると信ずるが、政府の所信を明らかにされたい。
一 在日米軍基地の撤去について、公明党の基地総点検以後、昨年十二月二十三日に約五十箇所の整理縮小案が発表されたが、その後の進行状況はどうなつているのか。また、明年六月までの基地整理の見通しを明らかにされたい。
一 政府は、最近のアメリカ極東戦争、とくに、今回の米軍機撃墜事件が、沖繩の戦略的価値にどのような影響をもたらすと考えるか。また、わが国の沖繩返還要求に、なんらかの影響があると考えるか。
一 日米安保条約に基づく在日米軍基地が、極東の緊張激化とわが国を戦争の危険に陥れるために使用されていることは、国民がひとしく恐れているところである。
  日米安保条約は、明年六月、一応固定期間を終了する。国民は、この条約体制の危険を感知し、その早期解消を希望しているが、政府は、この国民の世論にこたえて、明年の固定期間終了時において安保条約にどのように対処するのか。また、その具体策をいつまでに決定するのか。

 右質問する。





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