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昭和四十七年五月十三日提出
質問第一〇号

 東京都江東区内防災拠点木場地区予定地内の首都高速九号線に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十七年五月十三日

提出者  渡辺武三

          衆議院議長 (注)田 中 殿




東京都江東区内防災拠点木場地区予定地内の首都高速九号線に関する質問主意書


 東京都の江東地域における防災対策の樹立は、単に東京都の問題であるばかりでなく、国政の重要な一環であるが、東京都ではこの地域に六つの防災拠点を建設する構想を打ち出しており、その一つが木場地区の防災拠点である。この木場防災拠点予定地内を最近高速九号線が通過することになり、そこにランプができる予定で、附近住民は大きな不安を抱いている。このまま推移すれば、防災拠点の日常機能として期待されている人間中心であるべき市民の生活の場が自動車に圧迫され、さらに震災時にいたつては、生命を守るべき拠点内がかえつて災害と混乱のるつぼと化する危険があるので、高速九号線の路線は変更すべきであると考え、人命尊重の立場から以下数点質問する。

一 大震災時、高速道路に倒壊、危険物落下のおそれが非常に大きいことはロス・アンジェルス地震で証明ずみである。たとえ設計震度をあげたとしてもそれ以上の地震がこない保証もなく、また地震という自然現象の全貌が学問的に解明しつくされていない以上、それに対して安全な高架道を建設することはできないことになる。さらに、江東地域の軟弱地盤や、近時洪積層にまで及び始めている不等地盤沈下等を考え併せるならば、設計時の安全性を長年月にわたつて確保することがきわめて困難であることは明らかであると思われるが、この点をどう考えるか。
二 もし木場防災拠点内に高速道路を貫通させ、ランプを設置する場合、大震災時にはこの高速道路が火を呼び込む通路となることは明らかである。高速道路上に放置された自動車の列は火の帯となり、拠点内の自動車は爆発物と化して、生命の安全を求めて拠点にたどりついた人人の生命を死に追いやることになると思うが、この危険についてどう考えるか。
三 行政管理庁は欠陥高速道について、去る三月十三日勧告を行なつたが、その中で都心部高速道路の渋滞対策として通過車両が都心乗入れをしないようにすべきであるとし、東京湾岸道路の早期完成を促している。高速九号線はこの湾岸道路の通過車両を再び都心高速道路網に導入する連絡路になると思われるが、政府は行政管理庁勧告との関連で、この高速九号線をどう思うか。
四 国は、木場防災拠点は、いまだ構想中のものであり、一方、高速九号線はすでに路線が確定し実施段階にあるもので、これを変更するわけにはいかないとの考えを持つているやに伝えられているが、国の防災計画全般から総合的に判断するとき、いまのうちに路線をこそ変更すべきであると考えるが、どうか。
五 種種の危険をおかし、住民の不安を惹き起こしてまで油堀川経由で防災拠点木場地区予定地内に首都高速九号線を早急に建設しなければならない必然性は認められない。むしろ隅田川から豊洲運河、辰巳運河ぞいに路線変更することが望ましいと考えられる。この場合、河川法、港湾法との関係は単なる専用認許可の問題で法的支障はなく、また河川管理上も問題はないと考えるが、この点に関する政府の見解はどうか。
六 九号線建設は、以上のごとき防災上の観点からして問題があるのみならず、同時に川幅のせまい油堀川経由で木造密集地帯を二層三層となつて通りぬけ、また既設の第一辰巳団地と将来計画の第二辰巳団地を分断するなどして、騒音、排気ガス、その他の環境破壊を招来することは必定であると思われるが、国はどう考えるか。

 右質問する。





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