質問本文情報
昭和五十一年五月二十日提出質問第二八号
寝たきり老人に対する訪問看護の実施に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十一年五月二十日
提出者 金子満広
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
寝たきり老人に対する訪問看護の実施に関する質問主意書
人口構成の老齢化が進行し、老人福祉対策の強化はいよいよ重要になつている。特に政府の調査によれば三十二万人と言われる寝たきり老人は更に増大する傾向にあり、その対策は、緊急を要すると考える。
以下、寝たきり老人に対する政府の施策の強化について、見解を問うものである。
しかし、寝たきり老人は高齢者で幾つもの疾病を併せもつとか、適切な身体機能回復訓練を必要とするなど、特別の実態があり、医療機関の管理のもとにある看護婦やその他の専門家による日常的な看護が必要とされているが、現在の政府の寝たきり老人に対する施策では、このような問題は解決されない。
入院病院の不足、老人ホームの不足という事態を併せ考えると、右の問題を解決するため、寝たきり老人に対する訪問看護を政府の責任で早急に具体化すべきであると考える。
看護婦の往診について、看護料を正当に評価するとか、訪問看護について国の助成を行うとか、具体的な措置をとる考えはないか。
なお、政府は看護婦のみの往診については、医師法上の問題があるとしているが、看護婦は「療養上の世話、又は診療の補助をなす」ことができるのであり、医師の指導のもとに看護婦が、訪問看護を行うことは法律上問題はないと考えるがどうか。
二 住民の強い要望により、東大和市、杉並区など幾つかの自治体が寝たきり老人の対策として、訪問看護の実施を行つており、東京都は都内の一区・五市の自治体が実施する訪問看護の
施策に補助金を交付することを決めている。
当面、寝たきり老人に対する施策として重要な施策と考えるが、政府はこの施策を積極的に評価し、これを研究し、補助金を交付するなどの措置を講ずる考えはないか。
右質問する。