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昭和五十二年十一月十七日提出
質問第一五号

 地方交付税に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十二年十一月十七日

提出者  細谷治嘉

          衆議院議長 保利 茂 殿




地方交付税に関する質問主意書


 地方財政は、昭和五十年以来、不況・インフレの深刻化するなかで、戦後かつてない構造的危機に見舞われております。これは、高度成長下で増大の一途をたどつてきた自治体の財政需要を満たすに足る十分な財源が保障されていない現行税財政制度にあると考えられますが、地方交付税における著しい総額の不足を地方債によつて補てんする政府の地方財政対策が、この構造的危機をさらに深めていることを指摘せざるを得ません。よつて次の事項について質問します。

一 地方交付税法第六条の三第二項においては、「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き第十条第二項本文の規定によつて各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなつた場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」と規定されています。この規定による「引き続き」とは二年連続し、かつ三年目も不足することが見込まれること、また「著しく」とは、総額の一割以上であることと解されていることは申し上げるまでもありません。従つて、昭和五十年度一兆一、〇〇五億円、昭和五十一年度一兆三、七〇〇億円とそれぞれ補てんあるいは増額措置が講じられ、昭和五十二年度においては、地方財政財源不足額が二兆七〇〇億円と確定された以上、地方交付税率の引き上げ若しくは地方行財政制度の改正は、政府に課せられた責任であります。
  しかるに政府は、本年度地方交付税率の引き上げを図ることなく、交付税特別会計に対する資金運用部からの貸付額九、四〇〇億円のうち四、二二五億円の元本償還額に相当する金額を臨時地方特例交付金として一般会計から交付税特別会計に繰り入れることを法定化したことをもつて、地方財政制度の改正を行つたとしております。このような措置は、明らかに地方交付税法第六条の三第二項違反と言わざるを得ません。すなわち、右の償還措置の法定化は、あくまでも臨時的措置であり、地方財政制度の改正とは絶対に言えないことであり、現に、昭和五十二年度予算編成において自治省は、五%の交付税率の引き上げを要求していたことからも、このことは明らかであります。政府の見解を明らかにして頂きたい。
二 昭和五十三年度において、交付税特別会計は、昭和五十年度の借入額の初年度償還分として八五〇億円減額されることとなつておりますが、前述の主意により、大蔵・自治両省の申し合せに基づき、この償還については、国の一般会計で行うこととし、地方財政の負担とすべきではないと考えるが、政府の見解を明らかにして頂きたい。
三 公共事業の自治体負担分など本来、基準財政需要額に算入し、従つて地方交付税で措置すべきものであるが、政府は、これを地方債に振り替えている。こうしたやり方は、地方交付税の根本趣旨を逸脱するものであり、同時に将来、地方財政の負担を著しく増大させ、その負担能力をはるかに超えるものとなることは明らかです。今後、交付税で措置すべきものは法に則つて措置し、いたずらに地方債の増発を行うべきではないと考えるが、政府の見解を明らかにして頂きたい。

 右質問する。





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