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昭和五十六年十月二十三日提出
質問第六号

 川崎物産株式会社の税法違反・労働基準法違反に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十六年十月二十三日

提出者  竹内 猛

          衆議院議長 福田 一 殿




川崎物産株式会社の税法違反・労働基準法違反に関する質問主意書


 川崎物産株式会社(代表取締役横田修治)は、昭和二十七年水戸市三ノ丸一 ― 四 ― 七に設立され、業務内容、業績の拡大に伴い漸次営業部門ごとに子会社を設立し、飼料、貴金属、石油及び燃料、衣類、生活用品等を輸入販売している商社で、昭和五十五年度決算は約八〇億円と報告されており、昭和五十六年九月八日現在一四七名の社員が勤務し、労働組合は未結成である。
 川崎物産株式会社は昭和五十一年度、五十三年度、五十五年度と隔年の社員の賞与支払いに際し、実際に支払つた支給額の倍額の賞与を支給した旨、虚偽の法人税申告をした。このため社員は、地方税等の税負担を強いられ損害を余儀なくされている。
 一例を挙げると、青柳弘は、昭和五十一年度の実際の所得三〇八万三、〇三八円であるにもかかわらず、会社は、三九三万三、〇三八円の所得があつたものとして一六万四、二〇〇円の所得税と一一万五、七八〇円の地方税を納付した。しかし、実際の所得に対する真の税額は所得税七万八、六〇〇円、地方税五万六、五四〇円でよいものであるところ、右所得税の差額中五万一、〇〇〇円は会社が支払つたものの、所得税の残差額三万四、六〇〇円及び地方税差額五万九、二四〇円は青柳弘が支払つている。同様に、昭和五十三年度の実際の所得は三七四万四、七九四円であるにもかかわらず、会社は四二九万八、一七〇円の所得があつたものとして申告したため、一八万一、七〇〇円の所得税と一三万八、三三〇円の地方税を納付したが、実際の所得に対する真の税額は所得税一二万一、八〇〇円、地方税九万一、二八〇円でよいものであるところ、所得税の差額中四万六、七〇〇円は会社が支払つたものの、所得税の残差額一万三、二〇〇円及び地方税差額四万七、〇五〇円は青柳弘が支払つた。
 また、川崎物産株式会社の社員は慰安旅行費として給与の二%を積み立てており、実際に実施された旅行も積立金で賄つている。しかし会社は、社員の慰安旅行費という名目で中小企業が生き残るために必要な交際費を捻出している(八月二日横田取締役談)。さらに、川崎物産株式会社の慰安旅行は香港方面に行われ、その帰途、社員一人に二〇本以上の高価な洋酒を持ち帰らせ、会社の倉庫に集め、処理している。
 これらが税務当局に発覚し、調査されることになつたところ、会社は、発覚した原因を前記の青柳弘(勤続一五年八ヵ月)、島田俊男(勤続一九年六ヵ月)らの投書によるものとして、昭和五十六年六月二十六日付配置転換と解雇を言い渡した。
 なお、給与の未払い、退職金等の取扱いについては、昭和五十六年九月八日水戸地方裁判所及び水戸警察署に提訴・告発している。
 従つて、次の事項について質問する。

一 この脱税が投書により発覚したとし(下館税務署長、特別国税調査官は、投書によるものではなく自主的に実施したと七月二十一日の私の調査では回答している。)、善良な社員に疑いをかけ、突然解雇したことは基本的人権のじゆうりんであると思うがどうか。また、一四七名が働く職場に労働組合を作ろうとする責任者を常に解雇し、弾圧を加えているのは労働基準法に違反すると思うが、実態はどうか。
二 賞与支給額の虚偽申告は、法人税法・所得税法違反、印鑑の無断使用違反と思われるがどうか。
三 慰安旅行費という名目で交際費を捻出したことは、税務署の指導によるものとの会社の話だが、税務署はどんな税法の何条によるものか、明示されたい。
四 社員に洋酒を持ち帰らせ、会社で処理していることは関税法違反にならないかどうか。ならないとしたらその法的根拠を明示されたい。

 右質問する。





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