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昭和六十年三月十一日提出
質問第一九号

 沖縄の米軍基地内の未契約者所有の土地に対する強制使用に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年三月十一日

提出者  上原康助

          衆議院議長 坂田道太 殿




沖縄の米軍基地内の未契約者所有の土地に対する強制使用に関する質問主意書


 一九八四年十一月三十日、那覇防衛施設局長は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」(以下「米軍用地収用特措法」という。)に基づく手続を開始した。
 この「米軍用地収用特措法」の発動は、過去において米軍が沖縄県民の土地を「銃剣とブルドーザー」で次々と強制接収してきた行為と何ら変わりないものであると同時に、一九七七年五月十四日、「公用地等暫定使用法」の期限切れに伴う四日間の不法占拠という暴挙とともに、永遠に糾弾されるべきものである。
 さらに「米軍用地収用特措法」は、恒久平和主義を定めた憲法の前文及び第九条に違反することは明白であり、財産権の保障を定めた憲法第二十九条にも違反するものである。
 従つて、今回の「米軍用地収用特措法」の発動を、政府として即刻撤回されることを強く要求し、次の事項について質問する。

一 政府は、一九七二年の沖縄復帰時より今回の「米軍用地収用特措法」の発動を含めて、実に四度目の在沖米軍基地内の未契約者に対する「強制使用」の措置を講じてきたが、そのそれぞれについての根拠法、軍事施設ごとの件数、所有者数、面積及び使用期間を明らかにされたい。
二 一九八四年十一月三十日の「米軍用地収用特措法」に基づく意見照会手続の開始以来、現在まで三ヵ月余が経過しているにもかかわらず、政府は、対象土地の使用期間を明示していない。
  そもそも国民の貴重な財産を「強制使用」しようとする立場にある者が、その使用期間を明示しないとは言語道断といわなければならない。一九八〇年十二月五日付の私の質問主意書に対する政府答弁書(内閣衆質九三第一九号)においては、意見照会手続より一ヵ月も経過していないにもかかわらず「五年を超えない範囲内でその使用期間を定めることを予定している」と明言しているのである。
  今回、「米軍用地収用特措法」により使用しようとしている土地の使用期間を米軍施設ごとに明確に答弁されたい。
三 一九五二年に施行された「米軍用地収用特措法」を現在までに適用した例はあるか。
  あるとすればその施設名、件数、所有者数、面積、使用期間及び裁決年月日をそれぞれ明らかにされたい。
四 今回、「米軍用地収用特措法」を適用しようとする対象土地のうち、地籍が確定していない土地はあるか。
  あるとすればその土地が所在する施設名、件数、所有者数及び面積を明らかにされたい。
  なお、このような地籍の確定していない土地は、「米軍用地収用特措法」や「土地収用法」が作成を義務付けている土地の調書や図面を作成することは不可能であり、政府が問答無用式にひとりよがりでこれらの土地の調書や図面を作成したとしても、法的には何の意味も持たない無効なものであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 「米軍用地収用特措法」第三条に定められた「適正且つ合理的」の要件とは、単なる「基地の必要性」や「安保条約に基づく基地提供義務」と同義語では決してないはずである。
  つまり、「日米安保条約」や「地位協定」で土地等を提供しているからといえども、それが即「適正且つ合理的」な要件を満たすものではないと考えるが、政府の見解はどうか。
六 例えば、「地位協定」第三条の米軍施設管理権によつて米軍の管理下にありながら、現実には自衛隊が使用している基地については「適正且つ合理的」の要件を欠くものであり、そのような土地に対して「米軍用地収用特措法」を適用することは不可能であると考えるが、政府の見解はどうか。
七 同様に「地位協定」第二条第四項(a)に基づく一時使用権によつて自衛隊が使用している土地については、「米軍用地収用特措法」を適用することは不可能であると考えるが、政府の見解はどうか。
八 同様にいわゆる黙認耕作地を米軍の用に供することが、「適正且つ合理的」の要件を満たしているとは考えられないが、政府の見解はどうか。
九 同様に米軍基地内のゴルフ場は、「適正且つ合理的」の要件を満たしているとはこれまた到底考えられないが、政府の見解はどうか。
十 前回の「米軍用地収用特措法」の発動開始は、「強制使用」期限前、およそ一年半前であつたが、今回の再発動開始はおよそ二年半前である。前回に比べて一年早く発動しているがその理由は何か。
十一 現在、いわゆる「一坪反戦地主」は何名おられるか。並びにその方々が所有する土地の施設名、件数及び面積について、明らかにされたい。
十二 「米軍用地収用特措法」を適用しようとしている那覇市所有の土地について、その施設名、件数、面積及び使用期間を明らかにされたい。
  一九七六年三月、那覇市議会で議決された「那覇市基本構想」は、「軍事基地を早急に解放させ、その跡地を市民のための平和で豊かな生活の場として活用する」と述べている。同構想を実現する上で、小禄地区並びに牧港住宅地区の米軍用地の返還が不可欠と考えるが、これらの地区の返還見通しはどうか。
十三 沖縄県による「県民選好度調査結果」(昨年末)によると、県民が一番望んでいるのは「基地の返還促進」であり、次いで「新規に基地を提供しないこと」となつている。この結果からも明らかなように、県民のコンセンサスは「軍事基地のない平和な沖縄」を望んでいることは明白である。この県民の痛切な願望に政府はいかにして応えるか、明らかにされたい。

 右質問する。



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