衆議院

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昭和六十年四月九日提出
質問第二六号

 出稼労働者の労働条件改善等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年四月九日

提出者  津川武一

          衆議院議長 坂田道太 殿




出稼労働者の労働条件改善等に関する質問主意書


 全国の出稼労働者数は、昭和五十八年度において約二十五万人であり、その六割近くが東北六県で占められている。とりわけ全国一の出稼地帯である青森県では六万人余、就業人口比で十一・九人に一人の割合となつており、一時より減少したとはいえ依然としてかなりの数に上つている。
 出稼労働者は、一年のうち半分以上を家族と別れ別れという非人間的な生活を強いられたうえ、土木・建設現場など危険な作業環境や劣悪な労働条件のもとで働いているのが大半である。
 そして、賃金未払いや労災事故、留守家族での子供の教育問題など、出稼者をめぐる解決を迫られる諸問題があとをたたない。
 こうした出稼労働者が高度成長期以来の日本経済の底辺を支えてきたことを踏まえるならば、今こそ政治の側が出稼者の苦労に報いるべきときである。そのため、より根本的には出稼そのものの解消をめざしつつ、当面、労働条件の改善、福祉の向上に必要な努力を緊急に強めることが重要となつている。
 以上の立場から政府に対し、左記事項について質問する。

一 出稼者の帰郷旅費について
  出稼者が正月等に帰郷する際の旅費はほとんどが自己負担となつている。また、赴任する際の旅費等も出稼者負担が大半である。これらは本来、雇主である企業側が負担すべきものと考える。
  これについて、政府の認識はどうか。また、そういう方向で、出稼者を雇う企業に対して指導すべきと考えるがどうか。
二 出稼者に対する課税について
  出稼者は二重生活を強いられ生計費の増加を余儀なくされている。生計費の増加分については、税制上の必要経費とみなすべきである。
  従つて、一定期間を超えて居住地を離れて働きに出る出稼労働者に対して、所得税、住民税に特別控除制度を設けるべきだと考える。この点について政府に検討の用意はないか、見解を問う。
三 出稼先での宿舎の改善について
  出稼者のほとんどは、飯場といわれる宿舎で生活をともにしているが、それは、例えば、十二畳に八人で寝泊まりしている、押し入れがなく布団をたためない、娯楽室が少なく面会室もない、日当たりが悪い等々、居住条件がまつたく劣悪であり、憲法第二十五条でいう「健康で文化的な最低限度の生活」とは程遠いものである。こうした宿舎の改善は、企業と行政に課せられた最低限の差し迫つた課題である。
  そのため、寝室面積一人当たり二・五平米を最低基準とする等を定めた建設業附属寄宿舎規程を大幅に見直すべきだと考えるがどうか。

 右質問する。



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