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答弁本文情報

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昭和二十五年三月二十二日受領
答弁第七六号
(質問の 七六)

  内閣衆質第六四号
     昭和二十五年三月二十二日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員苅田アサノ君提出結核新薬オーレイマイシン及びストレプトマイシンに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員苅田アサノ君提出結核新薬オーレイマイシン及びストレプトマイシンに関する質問に対する答弁書



 オーレイマイシンは種々の細菌性の病気並びにリケツチイア性の病気、例えば発疹チフス等の病気に良く効く優秀治療薬として認められております。
 最近、米国のレデル研究所から研究用として、少量わが国に送られてまいりましたので、これをペニシリン学術協議会の関係臨床部会において使用しております。その結果、ペニシリン無効脳膜炎等に非常に良い成績を示しております。しかし、結核に対しては、その効果はアメリカの研究ではまだまだ疑問があり、むしろ否定的であるともいえますので、結核治療薬としては、認められておりません。
 現在のところ、むしろストレプトマイシンの方が結核治療薬として秀れていると思います。
 米国におけるオーレイマイシンの製造は、レデル研究所が特許を持つており、製造も一社のみで行つております。
 現在のところ認められている適応症としては、諸種の細菌による肺炎、腹膜炎、膀胱炎、ブルセラ症、淋病、梅毒、発疹チフス、恙虫病、第四性病、不定形肺炎、百日咳、アメーバ赤痢並びに種々の眼疾患等であります。
 使用量としては、一回量二五〇瓱から五〇〇瓱を一日四回飮用いたします。
 製造法は、ストレプトマイセス、アウレオフアシイエンスという種類のカビをペニシリンと同じように培養いたします。
 価格は、二五〇瓱入カプセル五〇ヶが二十二弗(米国内価格)程度であります。
 わが国においては、現在のところ、やつと研究室でそのカビをとらえた程度であつて、各製造業者も工業化を目指して鋭意研究中であります。なお、近く米国より一千人分が輸入される予定であります。
 次にストレプトマイシンの国内生産については、昨年九月二十二日閣議決定以来鋭意工業化に努力しております。
 製造業者としては、明治製菓株式会社、協和(注)酵株式会社、株式会社科学研究所、株式会社日本生物科学研究所の四社が主として製造の希望を持つております。
 なお、設備計画の資金は、五億三千万円で、目下その計画の調達に努力しており、この設備資金は一部昭和二十五年度の見返り資金より融資を受けるよう関係当局と折衝中であります。
 本年度における国内生産予定量は、五〇〇瓩でありますが、その融資の状況あるいは、その時期のいかんによつては相当生産量に増減を及ぼすものと予想しております。
 最後に、国家買上げの予算としては、昭和二十五年度予算六億三千百万円をもつて国産品及び輸入品を買上げ、価格をプールして配給する方針であります。

 右答弁する。




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