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答弁本文情報

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昭和二十九年二月五日受領
答弁第六号
(質問の 六)

  内閣衆質第六号
     昭和二十九年二月五日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 堤 康次(注) 殿

衆議院議員伊東岩男君提出鉄道新線建設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員伊東岩男君提出鉄道新線建設に関する質問に対する答弁書



一 国有鉄道では、三十線の新線建設のうち現在までに工事を完成して開業せるもの四線、一部開業せるもの二線、本年度末までに竣功見込のもの二線があり、昭和二十九年度に継続となるものは二十四線である。
  昭和二十九年度予算については、二十五億円を計上いたしてあるが、これは今回の財政規模縮少方針から貸付金のわくも縮少されたので建設費予算はこの程度に圧縮せられたのである。

二 国有鉄道は当初老朽諸施設の更新、近代化並びに輸送力増強等のために多額の経費を必要としており、これらの財源に苦慮しておる状況である。鉄道新線の建設には多額の費用を必要とすることであり、自動車輸送等によつて代替し得られるものも相当あると考えられるので、その実施にあたつては公共性、経済性等工事効果を充分検討して行う必要があり、鉄道工事資金全般の効率的運用を図ることとしたいと考えている。

三 本年度政府提出予算は二十五億円であるが、二十九年度において継続となる新線の建設については、極力これを維持し得るよう具体的に検討を進めており、鉄道建設審議会及び各方面とも相談して最終的にきめたいと考えている。

四 二十九年度において継続となる新線については、今後の方針の決定によつて対策がきまるわけであり、事業中止線の生ずるようなことは、極力これを避けるよう措置いたしたいと考えている。

五 内海線については、他の建設線との関連があるので、建設線に関する今後の方針が決定された後、具体的にどのように進めるかを決めたいと思う。

六 昭和二十七年度から着手した新線三十線は、当初昭和三十三年度に大略完成する予定であるが、今回の予算削減によつて完成が延びることになる。
  なお、昭和二十七年度には、十月に白新線の一部(新発田 ― 葛塚間一二・九キロ)が又三月に江川崎線(吉野生 ― 江川崎間一〇・二キロ)が開業しており、昭和二十八年度に完成及び完成予定の線路は次のとおりである。

江川崎線(吉 野 生 ― 江川崎間) 一〇・二キロ (昭和二十八年三月全通)
中湧網線(中佐呂間 ― 下佐呂間間) 一六・三キロ (昭和二十八年十月〃)
松 前 線(渡島大沢 ― 福 山 間) 五・六キロ (昭和二十八年十一月〃)
野 岩 線(荒   海 ― 滝 原 間) 八・六キロ (昭和二十八年十一月〃)
本 郷 線(布     ― 加 計 間) 一八・五キロ (昭和二十九年三月開業予定)
宮 原 線(宝 泉 寺 ― 宮 原 間) 二〇・〇キロ (昭和二十九年三月〃)

 この外に一部開業したものに

札 沼 線(浦   臼 ― 雨 龍 間) 二六・一キロ (昭和二十八年十一月部分開業)がある。

 昭和二十九年度内に開業する路線は、目下のところ予定されていない。

七 鉄道新線の建設は、なお、相当必要であることは言うまでもないが、建設には多額の費用を必要とするので、(二)に述べた観点からも十分念査を加える必要がある。
  この新線建設の財源については、現在の国有鉄道の財政状態にかんがみ、政府出資の道を開くよう、鉄道建設審議会より建議もあつたことではあるが、国有鉄道の独立採算制のたてまえもあり又国家財政の現状から政府より低利な貸付金をこれにあてているのである。

 右答弁する。




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