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答弁本文情報

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昭和四十八年十二月十一日受領
答弁第一号
(質問の 一)

  内閣衆質七二第一号
    昭和四十八年十二月十一日
内閣総理大臣 田中(注)榮

         衆議院議長 前尾繁三郎 殿

衆議院議員日野吉夫君提出本山製作所の不当労働行為に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員日野吉夫君提出本山製作所の不当労働行為に関する質問に対する答弁書



一について

 宮城県警察においては、本山製作所及び特別防衛保障株式会社に係る職業安定法第四十四条違反事件を鋭意捜査中であつたが、特別防衛保障株式会社に係る同事件については、近日中に捜査を完了し、送致する由である。
 なお、本山製作所に係る同事件については、関係者の取調べ等必要な捜査を続けているが、現在までのところその違反事実を明らかにできず、更に捜査を継続する予定とのことである。

二について

 地方労働委員会の命令は、中央労働委員会において争われている場合にも、その効力は停止されないが(労働組合法第二十七条第五項ただし書)、中央労働委員会において争われている限り、当該命令はいまだ確定していないので、当該命令の履行を罰則をもつて強制することはできない(当該命令が確定判決によつて支持された場合及び当該命令が確定した場合には、その違反に対し罰則の適用がある(同法第二十八条及び第三十二条参照)。)。

三について

 これまで調査したところでは、労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とする賃金、労働時間等の労働条件についての差別的取扱いを禁じた労働基準法第三条及び労働者が申告をしたことを理由とする解雇その他の不利益的取扱いを禁じた同法第百四条の規定に該当する事実をは握していない。

四及び五について

 本山製作所の労使紛争は、関係者の懸命の努力にもかかわらずいまだに解決に至らず、誠に遺憾である。これまでも、宮城県当局との緊密な連携の下に労使当事者を招致して事情聴取を行い、話合いの気運の醸成を図るなど、でき得る限りの努力を続けてきたところである。紛争発生後相当の時日を経過し、一日も早い解決が強く望まれるが、関係者の事態収拾への熱意は従来に増して高まつているので、労使当事者の自主的解決への努力に期待しつつ、問題解決促進のために採り得る諸措置について更に検討を進めるとともに労使の話合いを促進するなど、紛争の早期かつ円満な解決のために全力を尽くしてまいりたい。

六について

 警察は、正当な労働運動に対しては介入しないという基本的な態度をもつて臨んでいるが、労働運動に随伴して暴力の行使等の不法事案が発生し、又は発生するおそれがあるときは、法の定めるところに従い、犯罪の予防、鎮圧、捜査を行い、必要により被疑者を逮捕する場合もあることは警察の責務上当然である。
 ところで、本山製作所における労使紛争においては、昨年来、組合側と会社側との衝突によつて多数の負傷者を出す事案が続発している状況にあり、そのまま放置すると不法行為が再び発生するおそれがあつたので、その予防、鎮圧のため必要な限度で警察部隊をあらかじめ配置して警戒警備に当たつていたものである。

 右答弁する。




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